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バスケ男子日本代表、アジア杯へ!
前哨戦で見えたラマスHCのスタイル。
posted2017/08/08 11:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
「君はスペイン語わかるのか? 私が覚えた日本語はねぇ。コンニチハ、コンバンワ、オハヨウゴザイマス、アリガトウ。コンバンハ……ああ、さっき言ったか。まぁそれくらいだよ」
ウルグアイとの初陣前日、フリオ・ラマス新ヘッドコーチ(HC)は来日してから覚えた日本語について聞かれると、そう笑顔で答えた。
少しお腹が出て、動きもスローモー。独特な容姿とあいまって、「かわいい」とか「少し天然なのかもしれない」と選手から好意的に受け入れられている好々爺のようだ。アルゼンチンの名将は、ウルグアイとの2試合を終えたあとのヒーローインタビューで「ユウダイ・ババ(馬場雄大)は私が話しているのを見て笑うんです」と明かした。
母国を五輪ベスト4に導いたラマスHCの指示とは。
7月29日と30日に行なわれたウルグアイ代表との2連戦の結果は1勝1敗。初戦は69-79で敗戦したものの、続く2試合目は72-57で勝利で終えた。FIBAの発表する世界ランキングではウルグアイが26位、日本は48位。その相手との2試合目はウルグアイのシュートの精度が落ちた面はあったにせよ、日本は攻守ともに前日に出た問題点を改善した。
「いまは日本代表が長所として持っているものを集中して強化していこうと思っています。でも、それが最大に爆発するくらいの威力で日本代表に成果が出るように。そして、マイナスの部分に関してはできるだけ改善できるように。ただ、その明確な答えを出せる期間が必要ですし、ベストなアンサーが出来るのはアジアカップの後だと思います」
そう語るラマスHCは、2012年ロンドン五輪では母国アルゼンチンをベスト4に導いた人物である。彼は日本に何をもたらそうとしているのか。ラマスHCの指示をひも解いてみると、指揮官が求めているものの全体像が見えてくる。