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バスケ男子日本代表、アジア杯へ!
前哨戦で見えたラマスHCのスタイル。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/08/08 11:00
橋本と戦術のコミュニケーションを取るラマスHC。お互いの考えをすり寄せることで、レベルアップを図っている段階だ。
「ラマスさんはタフショットを好まないというか」
川崎ブレイブサンダーズのポイントガード・篠山竜青は言う。
「ラマスさんはタフショット(※苦しい局面や状況でのシュート)を好まないというか……。1本や2本のパスで良いシュートを打てるのであれば、どんどん打っていってほしいということは言われます。ただその代わり、良いショットが打てないうちは慌てずに(オフェンスに与えられる)24秒をしっかり使って、最後まで粘り強くオフェンスを続けて欲しいと言われている。だからセレクションでも、どこで、どうやって良いシュートを作っているのかを探っていったのかなという印象です」
単純に考えれば、マイボールにした後に繰り出す速攻からのレイアップやダンクが最も得点の可能性が高い。実際に守備から攻撃への素早い切り替えをラマスHCは求めている。
ただ速攻が繰り出せない、相手守備が整った状態での「セットオフェンス」では、与えられた24秒をじっくり使うのだ。
Bリーグ屈指の爆発力を持つ千葉ジェッツふなばしのPG富樫勇樹もこう話している。
「ショットクロックが残り10秒を切ると、選手としては早くシュートを打たなきゃいけないという感覚になるんです。だけど『まだ9秒もあるんだ』、『もう1つパスをつなげるし、もう1回スクリーンをかけられる時間だ』と最初の頃から言われてきました」
セットオフェンスの際に求められる3つのポイント。
これと並行して、PGは相手陣内に出来るだけ早くボールを運ぶように強く求められている。有利な状態でシュートを打てる選手を作るために割く時間を1秒でも長く確保するためなのだ。
指揮官はセットオフェンスの際のポイントを3つ挙げている。
(1)ペイントエリア内(※ゴール前の色のついたエリア)にアタックすること
(2)スペースを上手く使わないといけない
(3)ボールもテンポよく回さないといけない
ノーマークか、それに近い状態からシュートを打てるようなシチュエーションを作り出すことをラマスHCは強く求める。そういった戦いを志向する分だけ、チームを操るPGに求められるものは大きい。実際、8月8日から始まるアジアカップの12人のメンバー中3人がPGで占められている。