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甲子園を今年も席巻する北関東勢。
「上位8校」と注目の1回戦カードは?
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2017/08/06 07:00
大阪桐蔭が優勝すれば、2度目の春夏連覇は史上初。強豪が揃った99回大会を勝ち抜くことはできるのか。
横浜対秀岳館は一見秀岳館が有利に見えるが……。
これらの関東3強と対戦するのが盛岡大付(作新学院)、山梨学院(前橋育英)、開星(花咲徳栄)。
盛岡大付は北関東勢同様、県内に花巻東という好ライバルを得、さらに複数の好投手を擁し、中心打者は岩手大会で4本のホームランを放った植田拓(3年)というように強豪校の条件を備えている好チーム。
山梨学院は吉松塁(3年)、石井友樹(3年)の2枚エース、開星は島根大会6試合中2試合を逆転で凌いだ勝負強さで対抗する。
強豪校同士の戦いで注目されるのは4日目の第2試合で激突する横浜対秀岳館だ。横浜は増田珠(3年)を中心とする打線に破壊力があるのに対し、投手陣は新チーム結成以来、エース不在の片翼飛行で凌いできた。
対する秀岳館は140キロ台後半のストレートと角度十分の変化球を駆使する川端健斗(3年)、田浦文丸(3年)を中心に大会屈指の投手陣で対抗する。甲子園戦法のノウハウで言えば投手力上位の秀岳館有利だが、横浜の破壊力が抜けているので簡単にそうは断言できない。
大阪桐蔭が優勝すれば2度目の春夏連覇は史上初。
関東の絡みから目を転ずれば、センバツ大会を制した大阪桐蔭が'12年以来の春夏連覇に挑む。同じ高校が2度、春夏連覇を達成するというのは未だかつてない偉業だが、それを達成する戦力は十分に揃っている。投手陣は徳山壮磨(3年)を筆頭に、柿木蓮(2年)、根尾昂(2年)、横川凱(2年)、香川麗爾(3年)と本格派が揃い、いずれもストレートは140キロを超える。一説には「140キロ超えが7人」とも言われる超強力投手陣なのだ。
打線もチーム打率.399は出場校中、二松学舎大付(.435)、明豊(.423)、津田学園(.420)、済美(.400)に次いで高い。レギュラー全員が打率3割を超え、とくに藤原恭大は2年生ながら1番を任され、打率.455、本塁打3、打点11、盗塁6というずば抜けた成績を残している。春夏連覇のキーパーソンと言って言いだろう。