藤田俊哉の日欧蹴球比較論BACK NUMBER
欧州クラブは日本人選手のここを見る。
藤田俊哉が考える海外移籍の核心。
text by
藤田俊哉Toshiya Fujita
photograph byToshiya Fujita
posted2017/07/27 11:30
藤田俊哉氏が加入したリーズ・ユナイテッドは、1991-92シーズンにはプレミアを制した名門。順調なステップアップと言えるだろう。
10代の選手にはどんな練習、経験が必要なのか。
では改めて、ヨーロッパのプロの世界で「若手」とは何歳くらいをイメージするのか?
一般的に考えれば17~19歳だろう。VVVフェンロでは、アカデミーでプレーしていた15歳のGKをトップチームのトレーニングに参加させ、1年後に16歳でプロ契約したケースもある。
では10代の選手たちにとってどのような経験、トレーニングを積んでいくことがベストなのだろうか。これは永遠に議論されていくテーマだが、やはりボールを蹴る(距離、スピード、種類)こととボールを止めることが大切になる。単純ではあるけれど、このトレーニングを徹底して、レベルアップを図ることが重要になる。蹴る止めるのレベルが高ければ高いほど、その後に大きなチャンスが巡ってくる。
海外移籍を目指すのであれば、語学力も必須となる。語学の準備ができているだけでも、成功の可能性は格段に上がるだろう。もちろん海外遠征などを経験できればさらにいい。できることなら中学生までに海外旅行や遠征などで、日本以外での生活を体験してもらいたい。そうすることで日本の良さを改めて感じることができ、日本がさらに好きになるかもしれない。積んだ経験を踏まえて、海外挑戦について考えていけばいい。
今回の堂安選手の移籍は、あらためて海外移籍の難しさ、魅力について考えるきっかけになった。
最後になるが、私自身も新シーズンからイングランドのリーズ・ユナイテッドに“移籍”することになった。肩書は「Head of Football Development-Asia LUFC」。監督をマネジャーと呼ぶ国で、フロント側の仕事をしながら強化に携わり、チームマネジメントを学びたいと考えている。