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本田が去ったミランの274億円補強。
バイエルンに4-0もファンは不安?
posted2017/07/27 07:00
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
まるで夏の夜の花火大会のように、ミランが派手な大玉を次々に打ち上げている。
夏の移籍市場は、今のところ彼らの独壇場だ。7月23日時点で彼らが新戦力補強に費やした額は、2億1100万ユーロ(約274億円!)にも上る。
財政難に苦しみ低迷した近年の鬱憤を晴らすような大盤振る舞い。今夏、欧州で最も多くの資金を投下しているのは紛れもなくミランだ。
わずか2カ月前まで背番号10をつけていた本田圭佑のパチューカ移籍は、もはや1行のニュースにもならない。昨季までのチームは完全解体され、新たに集められた即戦力級プレーヤーたちによって先発の座はほぼ埋まった。
2年目の指揮を執るモンテッラ監督にとっても不服があろうはずもない。
「(これだけ補強してもらえたのだから)今シーズンは思う存分戦える」
王者ユーベからボヌッチを奪い取ることに成功。
“チャイニーズ・ミラン”となって初めて臨む移籍市場に、ファッソーネCEOとミラベッリSDは即断即決の電撃戦で挑んだ。
DFムサッキオ(ビジャレアル)とDFロドリゲス(ヴォルフスブルク)を皮切りに、ポルトガル代表FWアンドレ・シウバ(ポルト)、FWボリーニ(サンダーランド)を立て続けに獲得。若くしてFKの名手として知られるMFチャルハノール(レバークーゼン)も獲った。
昨季大躍進したアタランタの主力である若手2人の入団もまとめ上げた。フィジカルモンスターである20歳のコートジボワール代表MFケシエとU21イタリア代表の韋駄天DFコンティを抱えるモンテッラは、同業者たちから羨望の眼差しを受けるにちがいない。
ダメ押しは、7月20日に正式発表された大物DFボヌッチの獲得だ。
ボヌッチは王者ユベントスのスクデット6連覇と昨季のCL準優勝の原動力の1人だった。攻守ともに最高レベルのスキルを持つ当代きってのセンターバックであり、激しいキャプテンシーも兼ね備える。