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欧州クラブは日本人選手のここを見る。
藤田俊哉が考える海外移籍の核心。 

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藤田俊哉

藤田俊哉Toshiya Fujita

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posted2017/07/27 11:30

欧州クラブは日本人選手のここを見る。藤田俊哉が考える海外移籍の核心。<Number Web> photograph by Toshiya Fujita

藤田俊哉氏が加入したリーズ・ユナイテッドは、1991-92シーズンにはプレミアを制した名門。順調なステップアップと言えるだろう。

基本的に22歳以下の日本人選手しか獲得しない。

 多くの日本人選手が、ヨーロッパだけではなく南米やアジアなど世界中でプレーする今、移籍に関しての知識や情報は増え、考え方も多様になってきていると感じる。シーズンオフと夏の移籍期間には、大きなニュースとなって注目を集めることもある。

 ヨーロッパのクラブが日本人(や他のアジア人)選手獲得の条件に挙げるポイントは、大きくわけて2つある。

 1つは、「2、3年育てることで次のクラブへのステップアップを狙える若手であること(18~20歳)」。

 もう1つが「すでに日本で実績のある日本代表クラスの若手であること(20~22歳)」。

 つまり、獲得対象となるのは基本的に22歳以下の若手だけなのだ。主要リーグの上位クラブになれば、25歳前後の日本代表クラスで即戦力となる選手を獲得する可能性もある。しかし、その場合でもクラブはその後の移籍まで考慮するので、以前よりこのケースは少なくなっている。

20歳を超えた選手は、欧州では「若手」ではない。

 また強調したいのは、「若手選手」として扱われる年齢が、日本と欧州とで異なるということだ。

 ヨーロッパでも10代後半の選手はまだ若手と扱われているが、20歳前後になると大人としての位置づけに限りなく近づく。すべてのクラブがそうではないとしても、実は多くのクラブが20~22歳の選手にたいして、若手という認識を持っていないのだ。

 10代後半で所属クラブのレギュラーに定着し、20歳前後でチームの中心となり代表入りする選手もいる。昨シーズンのアヤックス(オランダ)はその典型的なクラブだ。2016-17のヨーロッパリーグを戦ったメンバーの平均年齢は約22歳、その若手中心のチームでファイナルに挑んでいる。チームのセンターラインに10代の選手を配置しプレーしていたことも特徴に挙げられるだろう。

【次ページ】 U-20W杯以降、堂安律への注目はとても高かった。

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