サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
ピッチに響く久保建英の甲高い声。
U-20でも発揮し始めた中心感。
posted2017/05/16 12:10
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
5月20日に開幕するU-20ワールドカップで、日本が何かを成し遂げることができたら──。
15日に行なわれたホンジュラスとの練習試合は、ターニングポイントのひとつにあげられるだろう。
北中米カリブ海地区予選を2位で突破したホンジュラスから、日本は3つのゴールを奪った。チームの得点源となる小川航基(ジュビロ磐田)がCKから先制のヘディングシュートを突き刺し、1-2とされたあとにキャプテン坂井大将(大分トリニータ)のPKで追いつく。5人の選手を入れ替えた直後の後半18分には、途中出場のひとりである板倉滉(川崎フロンターレ)がCKからヘディングシュートでネットを揺らした。
3つのゴールは、すべてセットプレーからだった。オープンプレーと呼ばれる流れのなかからは、1点も取ることができていないのだ。
チャンスがなかったわけではない。2トップの小川と岩崎悠人(京都サンガ)が攻撃に深みを作り、2列目の堂安律(ガンバ大阪)と三好康児(川崎F)が彼らに絡むことで、相手守備陣を揺さぶっていく。サイドバックやボランチの攻撃への関わりもあり、センターバックがボールを持ち出すこともあった。
チャンス数とゴール数の比率が全く違う。
日本らしいパスワークが展開されたものの、フィニッシュの精度が良くないのだ。ゴールマウスを捉えることにも苦慮する姿は、ホンジュラスを追い詰めるというよりは、延命治療を施しているかのようだった。好機を生かしていれば、少なくとも5点は入っていたのだが……。
南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと対戦する本大会のグループステージで、数多くの決定機を作り出せるとは考えにくい。目の前のチャンスを生かさなければ、勝利は遠のいていく。
ホンジュラスは対照的だった。何本もパスをつなぐわけでなく、連動性豊かに日本を翻弄したわけでもない。それでも、シュートチャンスは逃さないのだ。その結果が、オープンプレーからの2ゴールだった。