話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
「タイミングがズレる」U-20の不安。
必要なのは、サッカーを楽しむ自信。
posted2017/05/17 11:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
「合宿の練習でやったことができたのは50%ぐらいかな」
U-20W杯の大会前キャンプの締めとなる練習試合のホンジュラス戦後、堂安律はそう言った。
3-2で勝てたこと、セットプレーで点が取れたことなどはプラスだが、前日にやった守備練習や攻撃の出来を考えると、堂安の言葉通り“半分”ぐらいが妥当なのだろう。実際、前半の試合内容は悪く、後半に入って良くなったことを踏まえればプラスマイナスゼロという感じだった。
21日にグループステージ初戦南アフリカ戦を迎えるU-20日本代表は、11日からキャンプを始めた。チームにはAFC U-19選手権優勝などで積み重ねてきたものがあるが、久保建英のように大会後新しく入ってきた選手もいる。そのためチーム戦術の復習やゲーム方式での守備練習などを中心に取り組んできたが、一番重視していたのが試合に出ている選手、出られていない選手のコンディションの差を埋めることだった。
大会前に最高の相手に対して、試したかった連係。
12日にはジュビロ磐田と練習試合を組むなどコンディション調整を進めた。ホンジュラス戦前日に実施した守備練習では、連動してボールを奪い切る、しっかりと寄せてシュートを打たせないなど、本番を想定しての練習が行われた。
堂安は、ホンジュラス戦でのテーマをこう述べた。
「明日はチームとしての守備の連係ですね。ボールに行って取るところ、ステイするところのメリハリをつけること。あとは球際強く、簡単にシュートを打たせない。攻撃ではサイドハーフ2人とFW2人の4人で連係して崩していけるかどうか。いろんなコンビネーションを試してみたい」
ホンジュラスは、U-20W杯の出場国である。ここまでやってきたことを本番前に試すには、最高のスパーリングパートナーだった。