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ラグビーでオールスター戦は不可能?
畠山健介が指摘する長年の課題。 

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畠山健介

畠山健介Kensuke Hatakeyama

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2017/02/24 11:00

ラグビーでオールスター戦は不可能?畠山健介が指摘する長年の課題。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

接触が続く競技だけに、ラグビーの日程設定は非常に難しい。だが畠山ら選手は何かファンに還元できないかと常日頃から考えている。

せっかく「ベスト15」を選出しているのだから……。

 例えば、こういう仕組みはどうだろうか。Bリーグと同様に、ポジションごとにファン投票を行なって上位6人までランキングを発表する。1~15番までの6人ずつで90人。90人の中からオールスターの監督が公開ドラフトをしてチームを編成する。

 これならファン参加型の盛り上がるイベントになると思うが、実はこれに近いものがすでに存在する。

「ベスト15」だ。

 毎年、トップリーグの決勝が終わった翌日にトップリーグ表彰式が行なわれる。その中で「ベスト15」はトップリーグ16チームの全選手を対象として、各チーム監督、主将が自チーム以外の選手に投票し、これらにメディアの投票も加えて選出される。

 僕は2008-2009シーズンから6年連続でベスト15に選ばれている。その中で確か2009-2010シーズンの表彰式だったと思うが、一緒に選ばれたスラッシー(田邉淳)さんか、トモキ(北川智規)さんが壇上の個人スピーチでこう言っていた。

「せっかくこうしてベスト15を選んでいるので、このメンバーで何か出来ればと思います。関係者の方々、是非(アイデアを)お願いします」

意見というボールを投げても、戻ってこない。

 ベスト15に選ばれても、賞金があるわけでも、何か特典があるわけでもない。トロフィーをもらい、写真を撮るだけだった。

 当時から選手たちは「ラグビー界を盛り上げられるなら」と訴えていた。僕も心の中で「そうだそうだ」と壇上で思った。しかし、その後もこれといった「何か」はなかった。

 これまで多くの選手が意見というボールを投げても、そのボールが戻ってくることはなかった。多くの選手は「もうボールは戻ってこないんだな」と悟り、ボールが返ってくるのを待つのも、再度ボールを投げることも止め、引退していった。

【次ページ】 人々の結束が、サンウルブズの2年目につながる。

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