畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
ラグビーでオールスター戦は不可能?
畠山健介が指摘する長年の課題。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/02/24 11:00
接触が続く競技だけに、ラグビーの日程設定は非常に難しい。だが畠山ら選手は何かファンに還元できないかと常日頃から考えている。
開幕前のサンウルブズにとって糧となる試合だった。
結果は24対12でサンウルブズの勝利。とはいえサンウルブズは、トップリーグオールスターズにトライを許して追い掛ける展開となるなど厳しい時間が続いた。「プレー時間を与えたい」という首脳陣の意向により、サンウルブズに選出されている選手がトップリーグオールスターでプレーした。
これはサンウルブズにとって糧となる試合となったはずだ。いちラグビーファンとして、スーパーラグビーの開幕戦、シーズンを通してのサンウルブズの活躍を期待したい。
このサンウルブズ対トップリーグオールスターXVの一戦は、それまでのラグビートップリーグオールスター戦の代替案として昨年から行われているもの。ちなみに昨年は豊田スタジアムで行われ、52対24でサンウルブズが勝利した。その中で考えたのは、オールスター戦の意義についてだった。
ラグビーのオールスターには2つの大きな違いが。
多くのスポーツには「オールスター戦」が存在する。プロ野球、バレーボールのVリーグ、昨年多くの課題を乗り越えて設立されたバスケットのBリーグ、様々な競技にオールスター戦がある。
実際のシーズンゲームや優勝を決めるファイナルと比べて真剣味は薄いかもしれないが、ファンに対する感謝の意味合いが強い感謝祭、お祭りのようなイベントとなるので、ファンにとってはとても楽しみなイベントであるはずだ。
プロ野球やBリーグと比べてラグビーのオールスター戦には異なる部分が多い。決定的な違いは「開催時期」と「選出方法」だ。
まず、開催時期。プロ野球もBリーグもシーズンの合間に開催され、トップリーグではシーズン終了後、しばらく経ってからオールスター戦が開催されてきた。明確な理由は不明だが、おそらく選手のコンディションを考慮した上でのことだろう。
ラグビーはコンタクトスポーツなので、1試合あたりの消耗が非常に激しい。シーズン途中でオールスター戦を開催し、そこで負傷やコンディション不調に陥れば、困るのは所属チームだ。だからオールスター戦はシーズン終了後の開催となっていると推察する。