畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
ラグビーでオールスター戦は不可能?
畠山健介が指摘する長年の課題。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2017/02/24 11:00
接触が続く競技だけに、ラグビーの日程設定は非常に難しい。だが畠山ら選手は何かファンに還元できないかと常日頃から考えている。
ファンにも、選手にも楽しめるお祭りであるべき。
2月に行われたNBAのオールスター戦でも、先発メンバーを決める投票にファンだけでなく、現役選手とバスケットボールメディアも参加した。これはリーグ史上初の試みだったそうだ。
ファンも投票し、選手や関係者も投票する。その中で自分の選んだ選手が選ばれてないという独特の悔しさ、もどかしさの様なものが、さらにファンを「焦らし」、惹きつける要因にもなっているはずだ。
国内外問わず、オールスター戦とは、リーグ全体で作り上げるファン参加型の大イベントであるべきだと思う。そこに個人タイトルを設け、最優秀選手には賞金(野球では300万円、Bリーグでは30万円)が出る仕組みがあるとより一層いい。
選手も単に試合するのではなく「特典」が設けられることで、楽しんでプレーできるからだ。ファンに楽しんでもらい、選手も楽しめる。どちらかが楽しめなければ、お互い楽しむことはできない。オールスターは本来そういうお祭りであるべきだ。
ファン参加型ではなく、一方的なイベントではないか?
そう考えていくと、ラグビーのオールスター戦はファン投票のような参加型ではなく、「オールスター戦をするので来てください」という、一方的なイベントだった気がする。試合以外にファンが楽しめるのは、選手のグッズのチャリティーオークションぐらいだった。
ラグビーは気迫がこもった、激しくぶつかり合い、そのぶつかり合う音が醍醐味だ。気迫や必死さが「ぶつかり合い」というラグビーの競技特性で体現される。気迫や必死さがない「ぶつかり合い」をファンが見てもワクワクはしないだろう。むしろ興醒めしてしまう。選手にとっても怪我のリスクしかない。