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<サンウルブズ新HCのビジョン>
フィロ・ティアティア「日本ラグビーの未来を作る」 

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph byTatsuya Nakayama

posted2017/02/16 09:00

<サンウルブズ新HCのビジョン>フィロ・ティアティア「日本ラグビーの未来を作る」<Number Web> photograph by Tatsuya Nakayama
'19年W杯への試金石となる、サンウルブズ2季目の戦い。新指揮官には、日本ラグビーに精通するこの男が就いた。代表と連係を深めながら、日本の「基準」となるスキルを示したいと語る彼は、果たしてどんなチームを築くのか。

 サンウルブズ再出航の舵取りは、この男、フィロ・ティアティアに任された。

 W杯の余韻が残る去年の2月、日本にサンウルブズが誕生した。2019年W杯に向けての強化を目的として、当時の日本代表HC(ヘッドコーチ)エディー・ジョーンズ氏がスーパーラグビー(SR)参戦というアイデアを出し、関係者が実現にこぎ着けたのだが、いかんせん準備不足は否めなかった。最初のシーズンの結果は、1勝1分け13敗。厳しい現実を突きつけられた。

 W杯まであと2年。日本代表とサンウルブズの連係が望まれる状況で、昨季はアシスタントコーチとしてチームに帯同したティアティアが、今季は陣頭指揮を執ることになった。

「去年のチームで思い出に残っているシーンはたくさんあります。互いによく知らない者同士が集まって初戦を戦い、健闘した。秩父宮は素晴らしい雰囲気でした。しかし、大敗もあった。もちろん、ジャガーズ相手に初めての1勝をあげたことも印象深かったのですが、私のいちばん心に残っているのは、ゼロから立ち上げたチームが、日本のラグビー界の財産になれたのではないか――ということです」

 ティアティアは身長192cm、威圧感がある。しかし、話すといたって温厚な紳士だ。オールブラックスのFW第3列としてキャップ2。'02年から'06年まではトヨタでもプレー、'10年に39歳になるまで現役だった。その後はコーチングの道に入り、サンウルブズとの縁が出来た。

「昨季が終わった時点から、『来年のことも考えてほしい』という打診はありました」

 日本側としては継続性を重視したのである。しかし、決断は困難を伴った。世界を舞台とするラグビーを仕事にしているとはいえ、ティアティアには16歳を筆頭に6歳まで5人の子どもがいる。サンウルブズのHCを引き受けるとなれば、半年以上の単身赴任となる。

この記事は雑誌『Number』の掲載記事です。
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