岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER
ラグビー代表GMから7人制総監督へ。
岩渕健輔が語る大きな決断の理由。
posted2017/02/11 11:00
text by
岩渕健輔Kensuke Iwabuchi
photograph by
Wataru Sato
こんにちは。日本ラグビー協会の岩渕健輔です。今日は皆さんにご報告があり、このコラムを書かせて頂きました。
すでにご承知の方もいらっしゃるかと思いますが、去る1月18日、日本ラグビー協会では理事会が行われ、2019年のラグビーワールドカップ日本大会と、2020年の東京五輪に向けた組織の改編が決定。
GM制度を廃止し、15人制と7人制、それぞれのカテゴリーで総監督を新たに設けて、強化を推進していくことが決まりました。これに伴い、私も日本代表のGM職を離れて男女7人制の総監督(Team Japan 2020男女7人制総監督)に就くことになりました。
女子15人制代表に関しては、今年8月に女子ラグビーワールドカップが控えているので強化委員長を兼任しますが、基本的に今後は7人制の総監督として、ユースオリンピックに出場するU18の男女代表まで含めた、すべてのチームを強化していきます。
同様にジェイミー・ジョセフHCは、15人制の総監督に就任。U20の男子代表まで含めた、すべての代表チームを強化します。簡単に言えば、私が7人制、ジェイミー・ジョセフHCが15人制の現場の強化をそれぞれ担っていくというイメージで捉えていただくのが、一番わかりやすいのではないかと思います。
5年間で心に残るのは、申し訳なさ。
この5年間はまさにあっという間でしたが、GMとしての歩みを振り返った時、まず何よりも強く感じるのは自分の力のなさであり、ファンの皆さんや選手、スタッフに対する申し訳なさです。
日本代表は、ラグビーワールドカップイングランド大会では、ベスト8進出を目標に掲げていました。またリオ五輪では、メダルを獲得することを目標に据えたにもかかわらず、いずれも達成できなかったからです。
たしかにイングランド大会では南アフリカやサモア、アメリカ戦で勝利を挙げ、世界中を驚かせることができました。リオ五輪でも、男子は初戦で優勝候補のニュージーランドを撃破。準決勝に進出し、2大会連続で、しかも異なるカテゴリーで世界に衝撃を与えました。それでも最終的に目標を達成できなかったことは、今でも断腸の思いです。