岩渕健輔、ラグビーW杯と東京五輪のためにBACK NUMBER

ラグビー代表GMから7人制総監督へ。
岩渕健輔が語る大きな決断の理由。 

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岩渕健輔

岩渕健輔Kensuke Iwabuchi

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photograph byWataru Sato

posted2017/02/11 11:00

ラグビー代表GMから7人制総監督へ。岩渕健輔が語る大きな決断の理由。<Number Web> photograph by Wataru Sato

日本ラグビーにとってエポックメイキングな事件を起こし続けたGMでの5年間。岩渕氏は、次に何を見せてくれるのだろうか。

日本の伝統と世界基準を融合させてこそ、世界と戦える。

 また男女の代表を問わずに、スピードやストレングスといった身体能力、キックやパスの基本的なテクニック、そしてセットプレーや戦術分析を磨いていくのも急務です。

 これらの目標を達成するために、男女の7人制代表では海外の指導者もチームに加わりました。組織力の高さや献身的なプレー、忠誠心の高さといった日本ラグビー界の伝統と、グローバルスタンダードを融合させていってこそ、世界と戦うノウハウは初めて浮かび上がってきます。

 2020年の東京大会に続く道は、決して平坦ではありません。競技人口や国内リーグが無いことを考えれば、過酷な戦いが待ち受けています。

南アフリカ戦以上に心に残る風景。

 しかし、私は強いモチベーションを感じています。GMに就任したばかりの頃は、今よりもはるかに多くの課題に直面していたからです。

 今回、GM職を離れることが決まった際、私は多くの人たちから「一番、印象深いのはイングランド大会ですか? あるいはリオ五輪ですか?」と尋ねられました。

 しかし私の脳裏に焼き付いているのは、南アフリカに勝った瞬間のことでも、ニュージーランドを退けた場面でもなく、男女の各代表がまったく結果を出せずに、思案に暮れていた頃のことでした。

 覚えていらっしゃる方は少ないでしょうが、エディー・ジョーンズ体制に移行した1年目、日本代表は苦戦が続きました。アジアでは勝つことができても、他の地域の代表チームには、まったく太刀打ちできなかったのです。

 当然人気も低迷しており、国内で試合をしても、スタジアムには空席ばかりが目立ちました。女子ラグビーはさらに厳しい状況に置かれており、アジアのチームにさえ歯が立たなかったのを覚えています。

 しかし選手やスタッフ、関係クラブの方々のご協力、そしてなにより皆さんのご声援のおかげで、日本ラグビーはここまで変わってきました。ならば同じことが2019年や2020年、その先の未来に向けてもできないはずがない。私はそう確信しています。

 今後は代表GMではなくなりますが、7人制の総監督という立場で、皆さんとラグビーの話ができればと思っておりますので、引き続き、お付き合いいただければ幸いです。

(取材・構成:田邊雅之)

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