月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
稀勢の里の横綱昇進でブレる初場所。
プチ鹿島、1月のスポーツ新聞時評。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byHideki Sugiyama
posted2017/02/01 17:00
横綱昇進の祝いに大盃を抱えた稀勢の里。来月の春場所でも、横綱としての強さを発揮できるか。
師匠の隆の里と酷似する稀勢の里の足跡。
最後に稀勢の里の「いい話」を。
「両親は、本当はヘビー級のボクサーにしたかった」(スポーツ報知・1月22日)
「先代との出会いは偶然だった。中学2年の終わり、相撲部屋を見学に行こうと、ネットで調べた。電話番号が書いてあったのは鳴戸と尾車だけ」(日刊スポーツ・1月22日)
そうして出会ったのが、先代の鳴戸親方。元横綱隆の里である。スポーツ紙に掲載されるデータを眺めると、隆の里と稀勢の里は歩みがよく似ていることがわかる。
初優勝(年齢)=隆の里 29歳11カ月、稀勢の里 30歳6カ月
初優勝(初土俵)=隆の里 86場所、稀勢の里 89場所
綱取り(年齢)=隆の里 30歳9カ月、稀勢の里 30歳6ヵ月
似ている……。このあと、隆の里は横綱として初めて迎えた場所は「全勝優勝」であった(昭和58年秋場所)。ということは来場所の稀勢の里も……?
そうなると横審が「ほーら、横綱にしてよかったじゃないか」とドヤ顔で言いそうだ。
でも今場所の横審の不安定ぶりは忘れませんから。
以上、1月のスポーツ新聞時評でした。