サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
クラブで出ている選手で11人選ぶと?
日本代表の、意外に幅広い選択肢。
posted2016/10/04 07:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の周辺が騒がしい。日本代表で主力を担う海外組の多くが、所属クラブで出場機会をつかんでいないからだ。直近のリーグ戦で久しぶりにピッチに立った選手もいるが、根本的な解決にはほど遠い。
所属クラブでゲームから遠ざかる海外組について、ハリルホジッチ監督は「普通の基準なら呼べない」と話した。だが、「長友、吉田、長谷部、香川、清武、本田、岡崎……」と具体的な名前をあげ、「そういう選手を外してしまうと、誰を代わりに呼べばいいのか」と続けた。9月29日の記者会見での発言である。
チームの主軸となる選手たちに対して、「試合には出ていなくても、信頼をしている」というメッセージを送るのは、代表監督として必要なマネジメントだろう。代表チームのメンバー選考は、代表監督の専権事項でもある。
コンスタントに試合に出ている選手だけで編成すると。
それにしても、「結果を出している選手が選ばれる」という前提を、置き去りにしてはいけない。ハリルホジッチ監督はヨーロッパ各国のリーグとJリーグのレベルの違いを指摘し、国内組で参加した昨年8月の東アジアカップの走行距離を具体的な根拠にあげた。東アジアカップのゲームは走行距離が短いと言うのだが、中国で行われたこの大会は中2日または中3日の3連戦で、直前までJリーグが開催されていた。
他でもないハリルホジッチ監督が、北朝鮮との初戦に敗れた直後に「準備期間が欲しかった。チームのフィジカル的な問題で、数人の選手がフィジカル的にキツい状態だった。何人かの選手は、すでにかなりの疲労がある」と振り返っている。海外組の優位性を裏付ける根拠として、東アジアカップがふさわしいものとは考えにくい。
そもそも、国内組を数多くスタメンに抜擢したチームは、競争力が著しく低下してしまうのだろうか。最終予選を戦うチームとして、本当にふさわしくないのだろうか。
ということで、「所属クラブでコンスタントに試合に出ている」選手だけで、チームを編成してみる。チームの現状から大幅にかけ離れないためにも、9月に公表された89人の予備登録メンバーから選手を選ぶことにする。