畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介、南ア戦からの1年間を総括。
日本開催W杯までに“本気の変革”を。
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph byKiichi Matsumoto
posted2016/09/28 11:30
9月17日のラグビートップリーグでは、日本代表でともに戦った堀江と言葉を交わす場面もあった。
スタッフ不足、施設・食事面でも酷い状態だった。
次にサンウルブズの在り方。
日本代表の強化の一環として設けられたサンウルブズ。スーパーラグビー参入が決まってから、事前準備が十分になされていたとは言えない状況に、契約に至らないW杯メンバーが多くいた。スタッフの人数も不足し、ホームグラウンドやクラブハウスなどの施設もなく、食事面はかなり酷い状態であったと聞く。
そもそも、サンウルブズは当初の日本代表強化という目的を果たしているのか?
サンウルブズメンバーのひとりが言っていた。
「選手が怪我などでチームを離脱するのは仕方ない。ラグビーは激しいスポーツだし、スーパーラグビーは過酷なリーグだ。しかし、せめて新しいメンバーを招集・補填するなら日本代表になる可能性がある選手を招集して、当初の目的だった日本代表強化とリンクして欲しい」
本末転倒なのだが、昨シーズンで言うと怪我人が出た際は別に国の代表歴のある選手を招集し、その場しのぎの対策しかできなかった。
準備不足のしわ寄せはすべて現場に来る。
ヘッドコーチ(HC)を務めたマーク・ハメットだけの責任ではない。彼をHCに任命したのは誰なのかという話になるし、そもそも十分な準備がなされたと言えるのか。サンウルブズの中長期のビジョン、計画はどのようになっているのか。選手選考や契約面、環境面などの準備不足のしわ寄せはすべて現場に来る。環境が整っていない中でサンウルブズは勇敢に戦った。
今季からサンウルブズのHCには昨季まで同チームのFWコーチを務めていたフィロ(・ティアティア)が新たに就任し、2シーズン指揮することが決まっている。本来の日本代表強化とのリンク、一貫性、継続性、これらが果たされ、強いサンウルブズ、日本代表になることを願うばかりだ。