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畠山健介、南ア戦からの1年間を総括。
日本開催W杯までに“本気の変革”を。 

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畠山健介

畠山健介Kensuke Hatakeyama

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2016/09/28 11:30

畠山健介、南ア戦からの1年間を総括。日本開催W杯までに“本気の変革”を。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

9月17日のラグビートップリーグでは、日本代表でともに戦った堀江と言葉を交わす場面もあった。

サンウルブズに出場した選手は全く休めていない。

 トップリーグ終了後、スーパーラグビーに参入するサンウルブズが始動する。W杯メンバーとは異なる選手構成ではあったが、新たな日本を代表するチームとして南半球の猛者たちと鎬を削った。

 サンウルブズのスーパーラグビー参入でレベルの高い試合が増え、日本ラグビーがより世界基準に近づける環境が整いつつある。

 しかし、まだまだ問題がある。

 その1つが試合数と休息期間。W杯後、トップリーグ、スーパーラグビー、今年6月のカナダとスコットランドとのテストマッチ。その後すぐスーパーラグビーが再開。そしてトップリーグの2016-'17シーズンが開幕。すべてに絡んでいる選手は、全く休めていない。

各チームで主将の堀江は年間約40試合も出ている。

 パナソニック、サンウルブズ、そして6月の代表戦と、すべてのチームで主将を務めた堀江翔太はこの1年間で約40試合に出場している。ただ試合に出場するだけでなく、飛行機などでの長距離移動、慣れない地での試合、多くの負担がのしかかる。奥さんとまだ小さい我が子とゆっくり過ごす時間も限られる。

 日本でW杯が開催される2019年まで、今のままのスケジュールでプレーし続けると、肝心のW杯本番で選手がベストなパフォーマンスを発揮する前に壊れてしまう。

 日本代表、サンウルブズや海外チーム、トップリーグ、これら3チームに所属する選手は能力も高く、期待も大きい。試合に出ざるをえないのが現状だ。

 しかし3チームでプレーする選手に対し、試合数をコントロールし、休息・準備期間をしっかり設け、ベストなパフォーマンスを発揮、維持できるようにするフォーマットを作る必要がある。それは2019年のW杯だけではなく、今後子供たちが同じような立場になった時にラグビーを長くプレーしてもらうために絶対に必要な制度となるはずだ。

【次ページ】 スタッフ不足、施設・食事面でも酷い状態だった。

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