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南野拓実の視点で振り返る1勝3敗。
確かに見られた欧州での成長の跡。

posted2016/06/01 10:40

 
南野拓実の視点で振り返る1勝3敗。確かに見られた欧州での成長の跡。<Number Web> photograph by AFLO

ボールに絡んだ時は、他の選手とは違う力強さを見せた南野拓実。チームを「勝たせる」選手になれるか。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 トゥーロン国際大会2016でのグループリーグ最終戦、イングランドに0-1で敗れると南野拓実は腰に手をやり、俯き、悔しさを噛み締めていた。その表情は、U-19アジア選手権で北朝鮮に敗れてU-20W杯出場を断たれた時と同じ、厳しい表情だった。

 3月のポルトガル遠征以来、久しぶりにU-23日本代表に合流した南野は、トゥーロンを楽しみにしていたという。昨シーズン、オーストリアのザルツブルクではコンスタントに活躍し、リーグ戦とカップ戦の2冠を達成。個人的にも目標である二桁得点の10ゴール(32試合)を挙げた。

 ゴールシーンで印象的だったのは、5月11日グレーディヒ戦の前半31分、50mを独走して決めた時だ。こぼれたボールをそのまま前で受け、全力で駆けてGKの動きを見ながら逆サイドに流し込んだ。スピードといい冷静なシュートといい、南野の良さが出たゴールだった。

「違いを見せろ」という監督からの指示。

「クラブでは常にFWと近いところでプレーしろと監督に言われているんで、中盤に引いて受けることはまったくといってもいいほどないです。前にスペースがあったら、どんどん仕掛けていきたいし、点を取るためには大胆なプレーが必要になってくると思うんで、リオ五輪のチームの中でもそういう部分を出していきたい」

 欧州での経験は、世界のチームと対戦する時により生きる。「違いを見せろ」と手倉森誠監督に言われたことを意識して、トゥーロンに入っていた。

 南野自身の初戦となったポルトガル戦は、やりにくい試合になった。先制され、ブロックを作って引かれたことで、スペースがなくなったのだ。攻撃的MFの南野はサイドに張っていても効果的な攻撃ができないと判断し、中盤まで下がるなど自由に動いてプレーした。何本かクロスを供給するもゴールには繋がらず、自らもヘディングシュート1本に終わり、0-1で敗れた。

【次ページ】 欧州で学んだ、ブロックの固さとミドルの重要性。

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