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クロスプレー規定で野球が変わる?
広島が始めた「ゴロゴー」作戦とは。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/02/25 11:00
ヤクルトとのオープン戦で、捕手・中村悠平のタッチをかいくぐってホームインする新井貴浩。こんなシーンが増えれば広島の得点力は向上する。
捕手が走路をブロックできない影響は大きい。
「走者は最初から捕手に接触しようとして(中略)走路から外れることはできない」
「捕手がボールを持たずに得点しようとしている走者の走路をブロックすることはできない。もし捕手がボールを持たずに走者の走路をブロックしたと審判員が判断した場合、審判員はその走者にセーフを宣告する」
ほかにも本塁打同様に、映像での確認が本塁上でのクロスプレーでも適用されることになる。
春季キャンプでは審判団が12球団を回りながら新ルールの確認を行なってきた。しかし、選手や首脳陣の戸惑いは明らかだった。特に習性的にブロックしてきた捕手の戸惑いは強い。球審の判断に委ねられる部分も多く、シーズンに入っても両者のすり合わせは続いていきそうだ。
走者三塁ではすべて「ゴロゴー」になる?
広島がつくポイントはまさにそこ。緒方孝市監督は「野球が変わる」と言い切った。走者三塁のときには、すべて「ゴロゴー」でスタートを切らせ、代走要員の増員も検討されている。走者にとってメリットの多いルール改正で、攻撃も変わってくるだろう。
3回の同点、4回の逆転はいずれもルール改正によって生まれた得点だった。8回の得点も、広島走者が本塁を思い切り狙う姿勢によって相手の守備に焦りを与えたと言えよう。
新ルールに「いち早く慣れることが大事」というのは広島首脳陣の共通意識だ。キャンプ初日から新ルールを意識した走塁練習がメニューに組み込まれた。三振を減らし、凡打の内容を上げる。そこにリスク覚悟で、本塁への積極走塁。得点力アップの鍵は打力向上だけではない。