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卓球全日本女子ベスト8中6人が10代。
リオだけでなく東京五輪まで見えた!?
posted2016/01/18 13:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
YUTAKA/AFLO SPORT
1月17日、卓球の全日本選手権が閉幕した。
リオデジャネイロ五輪を今夏に控えるオリンピックイヤーの大会だが、卓球はすでにリオデジャネイロ五輪代表候補は男女ともに決定している。
女子は、シングルスが石川佳純と福原愛、団体戦要員として伊藤美誠。男子はシングルスが水谷隼、丹羽孝希、団体が吉村真晴。シングルスの代表候補選手は今年4月に香港で行なわれるアジア予選で出場枠を獲得すればそのまま代表になる。また団体戦に日本が出場できるかどうかは今年5月の世界ランキングで決まるが、女子、男子ともに獲得するのが濃厚だ。
その中で行なわれた今大会は、代表候補に選ばれた選手たちの現状を知る機会でもあったが、女子シングルスの2名は明暗、対照的な姿を見せた。
「明」は優勝し、3連覇を達成した石川佳純だ。石川の変化は、決勝後の姿にうかがえた。昨年はプレッシャーから解放された安堵で涙を見せたが、今大会は笑顔を見せたのである。
進化の結果、石川が見せた笑顔。
「去年と違って、楽しく出来ました」
昨年は9月に左大腿部故障のアクシデントはあったが、11月のワールドカップで日本勢初となる準優勝を飾るなど、順調に歩んできて臨んだ大会だった。
決勝の平野美宇との試合では、その跡が表れていた。
第1ゲーム、立ち上がりから4連続得点でペースをつかむと3ゲーム連取。第4ゲームこそ失ったが、第5ゲームは4-9から7連続得点で勝利した。試合で見せたのは、サーブのバリエーションを豊富に、打ち合う中でも緩急をつけるなど単調にならない試合運びだった。
大会中、「去年より動きが軽いです」と言ったように、フットワークにも進化がうかがえた。
この成長があっての昨年の好成績であり、あらためてレベルアップしていることを示したのが石川にとっての今大会だった。試合後の涙と笑顔という違いも、それを象徴していた。