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東京五輪世代のU-19は逸材揃い!?
小川、堂安……狙うは世界での活躍。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2015/10/11 10:40
初戦となったラオス戦試合前の集合写真。前列左端が堂安律。後列右から3番目が小川航基。
欠点の指摘を素直に受け止め、すぐ修正できる能力。
さらに堂安は指摘された課題に対して、先発フル出場を果たした最終戦のオーストラリア戦で早速回答してみせた。
「初戦のDVDを見て、言われた通り、イライラして周りが見えず、無理なドリブルを仕掛けすぎて、孤立してしまっていたことがはっきり分かったので。フィリピン戦、オーストラリア戦とワンタッチ、ツータッチプレーを織り交ぜながら、テンポよくプレーすることを意識しました。特にオーストラリア戦は仕掛けながらワンツーで深く入っていったりと、自分の持ち味を出せました」
こう胸を張ったように、オーストラリア戦では立ち上がりから小川、右サイドバックの藤谷壮(神戸U-18、高3)と息のあった連携を見せた。
「指摘されたこと、修正出来たと思います」
先制点は堂安と藤谷のコンビネーションから生まれている。
46分に、右サイドで堂安がボールを呼び込むと、「後ろからDFが来ていて、ボールを持ったら食われると思ったので、パスを選択した」(堂安)とのこと。大きなアクションでゴール前のDFを食いつかせてから、追い越してきた藤谷にワンタッチで絶妙なパスを通している。藤谷はスピードに乗ったままペナルティエリア内深くまで切れ込むと、マイナスの折り返し。これをニアで小川がつぶれて、ファーでフリーになっていたMF高木彰人(G大阪ユース、高3)が蹴り込んだ。
このシーンも、冷静に周りが見えているからこそのものであるし、かつその選択肢を最大限に広げるプレーを瞬時に実行できている証拠でもある。
「指摘されたこと、修正出来たと思います」
試合後、彼は筆者にこう語ってきた。彼の魅力は、まさにこのすば抜けた修正力にある。
能力の高い選手の中にはプライドが邪魔をして、人の意見を素直に聞いたり、非を素直に認めることができない選手が多い。だが、堂安は違う。
今回の修正力は、まさに堂安の伸びしろの大きさを示しているのではないか。目指すものがより高い場所にあるからこそ、ここで立ち止まっていられないという当然の自覚なのかもしれないが……。