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なぜか日高産馬が活躍する宝塚記念。
3連覇を目指すエースか、奇跡の馬か。 

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村本浩平

村本浩平Kohei Muramoto

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photograph byYuji Takahashi

posted2015/06/26 10:30

なぜか日高産馬が活躍する宝塚記念。3連覇を目指すエースか、奇跡の馬か。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

酒井学騎手を背に最終追い切りを行なったトーホウジャッカル。担当の佃厩務員は「不安と期待がハーフハーフ」とコメントしている。

 今年の宝塚記念出走予定馬を見てみると、出走を予定している16頭のうち、なんと13頭が社台グループ(社台ファーム、ノーザンファーム、追分ファーム、白老ファーム)の生産馬。うち9頭を占めるのがノーザンファーム生産馬で、春のクラシック戦線でもドゥラメンテ(牡3歳)が皐月賞、日本ダービーを制して牡馬2冠を達成している。セレクトセールの当歳セッションで1億円(税抜き)の評価が与えられたミッキークイーン(牝3歳)は、その評価に違わぬ活躍を見せるかのように、オークスを制した。

 しかし、今年の春GIシーズンで見れば、安田記念までの10レース(障害GIは除く)において、社台グループのあげたGI勝利はこの3勝だけであり、日本の馬産の8割を占める日高産馬が底力を見せ、6勝をあげている(残る1勝は外国産馬)。しかも宝塚記念はこの5年で4勝と、日高産馬の活躍が目立っているレースでもある。

史上初の3連覇をかけるゴールドシップ。

 その日高産馬躍進の立役者となったのが、今年の2月に21歳の生涯を終えたステイゴールドだろう。この10年でステイゴールド産駒はGIで5勝をあげており、うち3勝が日高産馬となる。そのステイゴールド産駒で、一昨年、昨年と宝塚記念を優勝。今年、史上初となる3連覇を目指すのがゴールドシップ(牡6歳)である。

 そのゴールドシップにとって唯一の、そして最大のウィークポイントが、父譲りと言える気性の難しさ。前走の天皇賞・春ではゲートになかなか入ろうとせず、結局は目隠しをされてのゲート入り。レース後、発走調教再審査(ゲート試験)に臨み、見事に合格をしたが、もし、この審査に落ちていれば、宝塚記念の出走は叶わなかった。

 鞍上の意に添わない時には、いくら手綱を動かしても進んでいかないレースぶりにも、気性の難しさが現れているが、この辺は現役時、そして種牡馬入り後もやんちゃな性格を見せていたステイゴールドの血が現れていると言える。ゴールドシップを応援してるファンはゲートが開くまで、もしくはゲートに入るまで、その動向からは目が離せそうにない。

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