Survive PLUS ~頂点への道~BACK NUMBER
「僕、無駄話減ったでしょ?(笑)」
無骨になった吉田麻也の“変化”。
posted2015/06/10 10:50
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
AFLO
3シーズン目のプレミアリーグ全日程を終え、吉田麻也は帰国の途に就いた。そしてすぐに、千葉県内で始まった日本代表・海外組の合宿に合流した。
頭の中身を、少しずつ代表モードに切り替えていく。フィジカルメニューを中心とした厳しいトレーニングの数々を消化し、初夏の気候も相まって徐々に日焼けした肌色に変わっていった。
いよいよ始まる、ロシアW杯2次予選。もちろん、ハリルジャパンの守備の要としてプレーする準備はできている。
そんな吉田に、代表活動が始まる直前に今シーズンのプレミアリーグでの自分について振り返ってもらった。
「僕自身イギリスはもう3年目で、生活面で不便はないしこの国にも慣れてきた。例えばサウサンプトンは港町で、『なんでこんなに道が混んでいるんだ? あっ、今日はボートショーの日か』みたいな感じで町のことも事情が大体わかるようになりました。
プレミアで戦う感覚もそうです。年末から年始にかけての冬の連戦がどれだけしんどいか、またそこで勝ち点をどれだけ取れるかがいかに重要か、そんなこともつかめてきた。よりサッカーに集中できる環境がここにはある。もちろん妻やトレーナーのサポートもありますけど、この土地に慣れたことは大きいです」
2年目以上、1年目以下の22試合出場の意味。
昨季2013-14シーズンは、ポジション争いの波に完全に飲まれてしまい、リーグ戦8試合の出場に留まっていた。
迎えた今季2014-15シーズン。CBでは昨季出色のプレーを見せたデヤン・ロブレン(クロアチア代表)はリバプールに移籍したが、主将のジョゼ・フォンテ(ポルトガル代表)が不動のレギュラーとして存在し、さらにロブレンの穴埋めとして、アトレティコ・マドリーからトビー・アルデルヴァイレルト(ベルギー代表)が加入した。フロリン・ガルドシュ(ブルガリア代表)を含め、吉田はこの3人のライバルたちと鎬を削っていった。
終わってみれば、数字だけを見ると吉田は昨季よりもチームに貢献したことになる。リーグ戦22試合出場と1年目の32試合には及ばないまでも、2年目より大幅に出場数を伸ばしている。今季はCBだけでなくSBでも出場するなど、元オランダ代表DFのロナルド・クーマン監督に柔軟な起用をされたことも、理由の一つである。