Survive PLUS ~頂点への道~BACK NUMBER
「僕、無駄話減ったでしょ?(笑)」
無骨になった吉田麻也の“変化”。
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byAFLO
posted2015/06/10 10:50
ヒゲをたくわえ、以前よりも逞しくなった吉田麻也。表情は柔らかいが、かもし出す雰囲気は重厚さを増している。
「無駄話が少なくなってきたと思いませんか?(笑)」
日本に戻り、代表練習の合間で見せている吉田の表情は変わらず明るく、柔和である。チームメイトや若手に率先して声をかけ、場を和ませる。今年で27歳、気がつけば中堅世代。そんな立場の彼にとっては、周囲を巻き込むために大切な空気感である。
ただ、一選手としての吉田はどんどん無骨になっている。特にプレミアや世界の舞台での話題になると、手応え以上に感じる悔しさも相まってか、柔和な表情や口調は途端に見られなくなる。
まだまだ前に、上に行かないといけない。その厳しさを何より肌身で感じているからこそ、自分自身について語る今の吉田に、余裕は一切ない。
「以前より、無駄話が少なくなってきたと思いませんか?(笑)。長々と真面目な話ばかり。でも、これでいいですよね」
それは、何よりも吉田が人知れず“必死”になって世界で戦っている証である。