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今季前に、バルサを去るはずだった。
シャビの「まるで映画」な1年間。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byGetty Images

posted2015/06/11 10:30

今季前に、バルサを去るはずだった。シャビの「まるで映画」な1年間。<Number Web> photograph by Getty Images

リーガを8度、CLを4度、W杯を1度、EUROを2度制したシャビ。彼は、現代パスサッカーの歴史において、間違いなく最重要人物の1人に数えられることになるだろう。

 昨季終了時、シャビはバルサを辞めるつもりでいた。

 ベンチで過ごす時間が増えた自分は、もうチームの役に立っていない。

 優勝をかけた最終節の大一番アトレティコ戦も最後の十数分間ピッチに立っただけ。

 挙げ句、優勝を逃した。

 2つの大きな失望で終わった'13-'14シーズンは、自分の長いキャリア中、最悪のひとつに数えられると後に明かしている。

 親しいチームメイトやメディア関係者に決心を伝えたシャビの元には、移籍オファーが殺到した。魅力的だったのは17年前シャビをトップチームに引き上げたファンハール(マンチェスター・ユナイテッド)や、ともにポゼッションサッカーを極めたグアルディオラ(バイエルン・ミュンヘン)からのもの。

 しかしCLでバルサの対戦相手になり得るチームは避けたかったため、行き先はMLSかカタールのクラブに絞った。

 ニューヨーク・シティなど具体的な名前が報じられたのはこのタイミングである。

バルサでもまだ役に立つ、試合で十分やれると翻意。

 ところが、ブラジルワールドカップから早々に帰国した後、シャビは翻意する。監督に就任したばかりのルイス・エンリケや当時スポーツディレクターを務めていたスビサレタに説得されてのことだ。

「ルイス・エンリケと話して考えを改めた。バルサでもまだ役に立つ、試合で十分やれるって感じるようになった。自分の時代は終わったと思っていたけれど、気分も晴れて、物事を違う角度から見られるようになったんだ」

 ルイス・エンリケはシャビを必要としていた。ただし、レギュラーとしてではなかった。

 事実、今季のシャビの初先発は開幕から4試合目のCLグループステージ第1節APOEL戦。'14-'15シーズンの最終的な出場試合数は、全公式戦合わせて44試合(うち先発は21試合)に及んだが、中盤のパス回しを廃した当初のサッカーが成功していたら、数字はここまでは伸びなかったに違いない。昨年9月末のCLグループステージ第2節PSG戦に敗れたことで監督に迷いが生じ、安心して中盤を任せられるシャビの出番が増えたのだ。

【次ページ】 出番ゼロでも勝利を祝ってくれた仲間を思い出して。

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