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2015年ドラ1候補12人を先取り!
高校、大学、社会人の注目株たち。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/05/25 11:00
東海大相模の二枚看板の一角を担う投手・吉田凌。春季高校野球関東大会の準々決勝・作新学院戦では、8奪三振1失点の完投勝利という好成績をおさめ、集まった多くのスカウトの熱い視線を浴びた。
同一高校から投手2人が上位指名のケースは2回だけ。
大学や社会人では、同一チームから複数のドラフト1位選手が輩出される例はそこまで珍しくない。昨年なら新日鉄住金鹿島の横山雄哉、石崎剛が阪神から1、2位指名され、2010年には早稲田大の斎藤佑樹(日本ハム)、大石達也(西武)、福井優也(広島)が1位で指名されている。しかし大学、社会人にくらべ選手の入れ替わりが早い高校は同一チームからの上位指名が少ない。同一校から複数の選手が1、2位で指名された例は過去50年のドラフトで13回だけ。
しかも13例のほとんどは投手と野手の組み合わせである。投手で1位、2位指名されたのは1973年の作新学院・江川卓(阪急1位拒否)、大橋康延(大洋2位)と、1983年の箕島・嶋田章弘(阪神1位)、杉本正志(広島1位)の2回だけ。小笠原と吉田がプロ志望届を提出すれば同一高校から2人の投手のドラフト1、2位指名は十分考えられる。
では、小笠原、吉田以外のドラフト1位候補は誰だろう。高校野球はこれから夏の都道府県大会と甲子園大会、大学野球は大学選手権、秋のリーグ戦、明治神宮大会と続き、社会人野球は都市対抗と日本選手権と目白押しの日程が控えている。これらを舞台に無名だった選手がスターにのし上がる可能性は十分あるが、ここではドラフトの中間報告という形で、今年のドラフト1位候補が誰なのか話を進めていきたい。
高校では、高橋純平が1位重複の可能性アリ。
●高校生
東海大相模が誇る小笠原、吉田のビッグ2以外では、春の選抜大会で大物ぶりを遺憾なく発揮した高橋純平(県岐阜商・投手)が1位入札での重複指名が考えられる。ストレート、変化球のキレ、さらにストレートを速く見せる緩急の使い分け、コントロールの精度など、どの面から見ても文句なしの素材で、最近の高校卒選手の早い起用のされ方を見れば、プロ2年目から一軍に定着しても不思議でない。
小笠原、吉田、高橋以外では、投手は小沢怜史(日大三島)、永谷暢章(履正社)、野手は平沢大河(仙台育英・遊撃手)、勝俣翔貴(東海大菅生・投手&外野手)の評価が高い。