詳説日本野球研究BACK NUMBER

2015年ドラ1候補12人を先取り!
高校、大学、社会人の注目株たち。  

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/05/25 11:00

2015年ドラ1候補12人を先取り!高校、大学、社会人の注目株たち。 <Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

東海大相模の二枚看板の一角を担う投手・吉田凌。春季高校野球関東大会の準々決勝・作新学院戦では、8奪三振1失点の完投勝利という好成績をおさめ、集まった多くのスカウトの熱い視線を浴びた。

都市対抗、日本選手権から社会人のブレーク組が。

●社会人

 毎年、夏の都市対抗、秋の日本選手権でブレークする選手が出てくるので社会人からも目が離せない。近年では'11年の十亀剣(JR東日本→西武1位)、'13年の柿田裕太(日本生命→DeNA1位)、森唯斗(三菱自動車倉敷オーシャンズ→ソフトバンク2位)、'14年の竹下真吾(ヤマハ→ヤクルト1位)、石崎剛(新日鉄住金鹿島→阪神2位)などは、ある日唐突に出現したように見えた。今年もそういう選手がいるのだろうか。

 私が考える1位候補は猿川拓朗(日立製作所・早生まれ23歳)と横山弘樹(NTT東日本・早生まれ23歳)の2人で、彼ら以外でも小野和博(富士重工業・24歳)、石橋良太(Honda・24歳)、加藤貴之(新日鉄住金かずさマジック・23歳)、関谷亮太(JR東日本・24歳)、江口昌太(JX-ENEOS・21歳)、山下大輝(西濃運輸・24歳)、近藤大亮(パナソニック・24歳)らの評価が高い(以上、すべて投手)。

大谷翔平を彷彿とさせる、NTT東日本の横山弘樹。

 この中で私が最も注目しているのが横山だ。桐蔭横浜大時代は同学年の小野和博がエース格だったのに対し、横山が頭角を現したのは4年秋と遅い。しかし社会人入りすると、1年目の都市対抗でJR九州を完封するなど大活躍、小野とともに若獅子賞を受賞した。

 2年目の今年も好調は続き、私が最近見たのは4月28日の関東選抜リーグ、富士重工業戦。無死一、三塁の場面で登板し、いきなりフォアボールを与えて満塁のピンチを迎えるが、5番打者をセンターフライ(犠牲フライで1点入れられる)、6番をフォークボールで空振りの三振、そして7番にはデッドボールを与えたものの、8番を一塁ゴロに打ち取って大量失点を防いだ。

 この試合で計測したストレートの最速は150km。横山を見てすぐ思い出したのが大谷翔平(日本ハム)だ。ヒジの立った堂々とした投げっぷりで、変化球はカットボールとフォークボールに見応えがあった。十亀や森のように唐突に出現したわけではないが、未完の大器だった大学時代とくらべると、完全に殻を破った印象がある。

【次ページ】 ドラフト1位候補12人は、この選手達!

BACK 1 2 3 4 5 NEXT
#高橋純平

プロ野球の前後の記事

ページトップ