プレミアリーグの時間BACK NUMBER
チェルシーが抜け、リバプール脱落。
プレミア「2位争い」が珍しく熱い!
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byTomoki Momozono
posted2015/04/11 11:00
2位の座を争うマンCのペジェグリーニとアーセナルのベンゲル。どちらにとっても、ポストがかかった終盤戦になりそうだ。
そしてペジェグリーニは解任を回避するために。
一方のマンCのマヌエル・ペジェグリーニ監督は、より切羽詰まった状況だ。トップ2の成否が自身の去就を左右しかねない。今季限りとの噂が高まったのは、CL決勝トーナメント1回戦で敗退した3月。バルセロナが相手ではあったが、4-4-2システムを採用したペジェグリーニ采配が劣勢を招いたとされる2戦2敗だった。
それでも経営陣は、昨季クラブ史上初のグループステージ突破を果たしたCLでは、決勝トーナメントを勝ち進めなくても失敗とはみなさないとする見方が一般的だ。しかし、国内で2位という最低線を維持できなければ、話は別だと思われる。
マンC首脳陣の間では「進歩」がキーワードの1つ。前回のトップ2漏れは4年前で、それはクラブ史上初のCL出場を意味した3位。「成功」もキーワードとする野心家クラブは結果に対して非常にシビアだ。初のリーグ連覇を逃した挙げ句、3位以下でシーズンを終えれば、それは「後退」を意味する。その「後退」の原因として、明らかに戦力で劣るはずのストーク、ウェストハム、バーンリー、クリスタルパレスなどに敗れた責任を指揮官が問われても仕方はない。残る7試合は、ペジェグリーニに残された名誉挽回のラストチャンスだ。
対戦カード的にはマンCに利が。
幸い、マンCは2位を争う3チームの中で最も残り試合の対戦カードに恵まれている。次節はアウェイでのマンチェスターダービーだが、他はトッテナムとサウサンプトンが最大の難敵という具合。両チームともヨーロッパリーグ出場を懸けたトップ6はまだ争えるが、CL出場の夢が破れた上位勢にありがちな脱力感は、前節で降格候補のバーンリーとスコアレスドローに終わったトッテナムが体現していた。
思えば昨季も、マンCが下位のクリスタルパレスに順当勝ちし、自力優勝の気運が高まっていたリバプールがチェルシーとの強豪対決に敗れた第36節の明暗が、1位と2位を分けるきっかけとなった。もっとも今季のマンCは、守備の要であるバンサン・コンパニは低調なまま、中盤の核であるヤヤ・トゥーレは調子の波がおさまらず、クリスタルパレスに足下をすくわれたばかり。この不安要素が、2位を争う他チームには希望の源、中立派のサッカーファンには興味の種となる。