プレミアリーグの時間BACK NUMBER
チェルシーが抜け、リバプール脱落。
プレミア「2位争い」が珍しく熱い!
posted2015/04/11 11:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Tomoki Momozono
今季のプレミアリーグも、残すところあと1カ月半。
4月6日のクリスタルパレス対マンチェスター・シティ(2-1)を受けて、優勝争いはチェルシー有利の線が更に濃厚となった。2位で追走を続けてきたマンCだったが、アウェイでのリーグ戦3連敗でチェルシーとの差は7ポイントに拡大。しかも、残り試合数はチェルシーが1試合多い。その1試合はレスター戦で、チェルシーが最下位の相手を順当に下すと仮定すれば、唯一の対抗馬と見られていたマンCとの差は残り7試合で10ポイントだ。
チェルシーが土壇場で首位の座から転落する展開は、勝ち方を知るジョゼ・モウリーニョ監督のチームが終盤戦で大崩れするという異常事態でもない限り考え難い。
トップ4争いも、同じ31節のアーセナル対リバプール(4-1)で第5勢力が事実上消滅した。同節を終えて5位のリバプールは、前節マンチェスター・ユナイテッド戦(1-2)に続く連敗。4位のマンCとも7ポイントの差があり、ブレンダン・ロジャーズ監督自らが「私は現実主義だから」と切り出して、4位以内は「非現実的」と認める結果となった。
つまり、リーグ王者のタイトルとCL出場権の行方は既に見えたと言える。しかし、だからといってトップ集団によるレース終盤の見所がなくなってしまったわけではない。代わりに注目すべきは「準優勝」争いだ。
例年なら2位から4位は「何位でも一緒」だが……。
例年、トップ4以内の順位は「首位以外なら何位でも一緒」と言われる。厳密には、4位でのCL出場は予選最終ラウンドからという違いがあるが、プレミアのトップ4常連組の戦力を以てすれば、難なくグループステージ進出が見込めるのだろう。順位に伴うリーグ報賞金の差も100万ポンド(約1億8千万円)程度で、いわゆる“ビッグクラブ”が目の色を変えるほどの規模ではない。
ところが今季は、第31節終了時点で2位から1ポイント差で並ぶアーセナル、マンU、マンCの全3チームに「準優勝」にこだわる理由が存在する。