リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
なぜレアルは「戦力不足」なのか。
“代えが利かない選手”という諸刃。
posted2015/04/09 10:50
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
AFLO
勝負は下駄を履くまでわからない――とはいうものの、先月22日に行なわれたクラシコの結果により、バルサの2年ぶりのリーガ制覇は濃厚となった。
今世紀に入ってからの13シーズンを振り返ると、残り10節の時点で首位に立っているチームは約7割の確率で優勝しているし、2位以下が逆転優勝を果たした4シーズンを見ても、現在バルサとマドリーの間にある4ポイント差がひっくり返ったのは'03-'04シーズンのみ。
追う側にとっては非常に厳しい状況だ。
ただし、「最後の一波乱」を期待させるデータもある。
過去10年、第29節から第38節までの10連勝を成し遂げたチームはひとつもないということだ。
両者ともに、きっとどこかでつまずく。となると、その回数次第で差は小さく(もちろん大きくも)なる。
クラシコで敗れはしたものの、復調を感じさせたマドリーにとっては有り難い希望だ。あの勢いで前半戦の強さを取り戻し、チームが一枚岩となれば、前例破りの10連勝は不可能ではない。バルサにプレッシャーをかけることもできるだろう。
世界屈指の金持ちクラブが、戦力不足!?
だが一方で、先のクラシコでは今季のマドリーの不安要素も改めて確認することができた。
戦力不足と、それゆえのメンバー固定である。
各国代表が名を連ねる世界屈指の金持ちクラブを相手に、戦力不足だなんて何をと思われるかもしれないが、頭数が揃っていることと戦力が揃っていることは違う。
ちょうど先月末、戦力になっていない側の“チチャリート”ハビエル・エルナンデスのコメントが話題となった。中南米をカバーするテレビ局フォックス・スポーツのニュース番組に出演した際の嘆きだ。