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セリエAを揺るがす“2015年問題”。
外国人枠、代表との関係、チーム減?
posted2015/01/08 10:50
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
AFLO
1月6日のベファーナ祭に合わせて、イタリア・サッカー界は新年のゲームはじめだ。
カンピオナートは、首位ユベントスと追うローマによるスクデットへの一騎打ちが激化する一方、3位争いが大混戦となりそうな気配だが、今年のセリエAには、シーズン後にも大きなトピックが待ち受けている。
それが「セリエA2015年問題」とでもいうべき一大リーグ変革だ。
昨年の11月中旬、イタリア・サッカー協会のタヴェッキオ新会長が提案していたリーグ改革案が、多数の承認を得て、2015-2016年シーズンから適用されることになった。改革の骨子は、以下の3点だ。
・トップチーム登録数最大25人枠の制定
・EU外選手の獲得条件の変更
・クラブ財政の収支均衡化
自国選手保護のための人数規制の効果は?
このうち、「25人枠」と「EU外選手の扱い」が、来季から現場へ直接与える影響は決して小さくない。
「25人枠」の中には「4+4」と呼ばれる付帯条件がある。セリエAのクラブは、来季からのトップチームに、自らの育成組織出身選手4人とイタリア出身選手4人を含めなければならない。その上で、EU外出身のアンダー世代の新規登録には「サッカーに関係なく両親と移住しており、イタリアの学校に最低4年間の通学歴があること」を義務付けた。
今やセリエAプレーヤーの半数以上が外国人だ。イタリア協会は自国選手保護のため、人数規制へ舵を切った。
EU外選手の獲得については、各クラブにつきシーズン最大2人までという基本ルールは変わらないが、移籍市場で本命とする選手の枠を確保するためにダミー扱いの無名選手をキープし、本命の選手を獲得するとすぐに転売するような“裏技”を禁じた。
また、外国人規制に矛盾するようだが、リーグの競争力維持のために、EU外選手枠は各チームにつき、昨シーズンから1人分増やされた。この「+1枠」での獲得には、代替選手の放出がいらない代わりに、プレミアリーグが設けているような新獲得選手のキャリア査定が施される。