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セリエAを揺るがす“2015年問題”。
外国人枠、代表との関係、チーム減? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2015/01/08 10:50

セリエAを揺るがす“2015年問題”。外国人枠、代表との関係、チーム減?<Number Web> photograph by AFLO

問題発言に加え、脱税や職務怠慢で何度も有罪判決を受けているタヴェッキオ会長。その手腕やいかに。

タヴェッキオが犯した人種差別発言。

 タヴェッキオは昨夏の会長選立候補会見で、痛恨のオウンゴールを犯した。

「昨日までバナナを食っていたオプティ・ポバという(アフリカ系の)名前の選手が、今日、イタリアでスタメンとしてピッチに立っている。これは由々しき問題だ」

 来歴のあやふやな外国人によってイタリア人選手のプレー機会が侵食されている、と訴えたかったのだろうが、したり顔で前時代的価値観をさらけ出した71歳の候補者は、世論の批判に晒された。加えて、人種差別発言を重く見たUEFAとFIFAからそれぞれ半年間、重要会議への出席停止や役職停止処分を下されている。

 一説にはユーヴェのMFポグバをもじったのでは、と囁かれた「オプティ・ポバ」という架空の選手名は、一躍イタリア・サッカー界の流行語にもなった。社会的に大失態を演じたタヴェッキオは、今年はイメージ回復にも注力しなければならない。

手本とするイングランドも、代表は低調……。

「2015年問題」の火種は、イタリア代表にもくすぶっている。

 やはり昨夏に就任した代表監督コンテが強く要望する2月の代表合宿について、ユベントスとローマを中心に招集反対論が根強い。両クラブとのいがみ合いが続く中、すでに来年のEURO本選を見据えるコンテは、来季カレンダーにも異を唱え、「EURO開幕までの準備期間が少ない。閉幕日を5月22日から1週間繰り上げろ」とリーグ側へ要求している。

 昨年末には、短気なコンテに早期辞任の噂までちらついたため、タヴェッキオが介入。「コンテは代表監督の契約をまっとうする」と声明を出して、事態はようやく鎮静化した。

 今季終了後の6月16日、イタリアはドーハでポルトガルとの親善試合を組んでいる。エアコンを完備した閉鎖型スタジアムでの初のテストマッチとされ、'22年カタールW杯に向けた注目度の高い試合だ。

 今年は、アズーリの威光復活の一歩を記す年にしなければならない。タヴェッキオやコンテ個人の思惑はどうあれ、一連のセリエA改革の目的は、イタリアン・カルチョの国際的競争力を取り戻すこと、その一点に尽きる。

 今回の改革の範となっているイングランド・モデルは、豊富な資金力をもとに、大量の外国人トッププレーヤーを招くことで成立している。リーグが隆盛する一方、イングランド代表は国際舞台で結果を出せなくなって久しい。

 健全経営と育成組織を基盤にするブンデスリーガが、現在の競争力を作り上げる過程では、外国人枠撤廃の影響も少なからずあったはずだ。戦力と資金力の面で2強クラブが突出し過ぎているスペインのケースは、群雄割拠のイタリアでは参考になりにくい。

 セリエAは、イタリア流の正解を見つけなければならない。タヴェッキオは今回の改革を足がかりに、公約であるセリエAの18チーム化へ近い将来着手すると明言している。

 背広組と現場がそれぞれに頭を悩ませながら、2015年の幕は開けた。イタリア半島の地殻変動は始まっている。

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