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2年ぶりの大阪ダービーは痛み分け。
山口にはまだない、遠藤のある能力。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2014/04/16 10:40

2年ぶりの大阪ダービーは痛み分け。山口にはまだない、遠藤のある能力。<Number Web> photograph by Getty Images

今野の負傷でボランチに入った遠藤保仁が試合の流れを変えた。「大阪の盟主」の座をそうやすやすと手放すわけにはいかない。

若きセレッソには“経験”が足りない。

 ガンバの勢いに押されたセレッソは、全体的に後ろに下がってしまう。守備に追われ、カウンターで活路を見出すしかなかった。スタメン11人の平均年齢25.18歳の若いチームは、試合の流れを読み、リズムを変えていくだけの術をまだ持ち合わせてはいなかった。

 その後フォルランのFKでなんとか同点に追い付いたセレッソだったが、試合をひっくり返すまでには至らなかった。

「ミスが増えてきたし、決めないといけないシーンで決められなかった」と山口は語ったが、後半には簡単なミスを連発してしまった。フォルランも、FKを決めた後はプレーの精度が落ちてしまった。

 試合をどう進め、どう終わらせるのか。遠藤のように試合の流れを考え、読む“経験”がセレッソには足りない。大阪ダービーに勝利して、人気だけではない強さを証明したかったセレッソだったが、ガンバの経験に裏打ちされた巧みな試合運びに、同点に持ち込むのが精一杯だった。

大阪の雄の意地を見せたガンバにも課題が。

 一方、ガンバも勝ち点3を逃した。

 ダービーの前まで公式戦3連敗を喫し、選手だけでミーティングを行ない、「このままじゃいかん」とチーム全員で危機感を共有した。その危機感がプレーで表現され、関西におけるトップクラブの意地を見せた。それでも勝ち切れなかった。

「本当は、全員が連動して相手のスキを窺いながら崩していくのが理想だけど、今のチーム状態を考えると勝ち点3が重要。ただ内容は悪くなかったんで、チームが変わるいいキッカケになればいいと思う」

 遠藤は、淡々とそう語った。

 2年ぶりの対戦、大阪・春の陣は2-2のドローに終わった。ガンバもセレッソもまだ本調子ではないが、これからチームをどうやって修正していくのか。また、今後大阪の勢力図はどう書き換えられていくのか。大阪ダービーは単に勝敗だけではなく、それを確かめる特別な意味を持つ試合に変わりつつある。

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