サッカーの尻尾BACK NUMBER
圧倒的得点数で2度目のバロンドール。
授賞式でロナウドが見せた涙の理由。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byBongarts/Getty Images
posted2014/01/14 11:30
右端からジョセフ・ブラッターFIFA会長とペレ、『フランス・フットボール』の社長フランソワ・モリニエール。涙を流すロナウドの足元には愛息の姿も。
リベリーは今回を逃すと……次は無い。
タイトルは決定的要素ではない、ということも改めて浮き彫りになった。
ロナウドの1365ポイント(27.99%)に次いだのはメッシの1205ポイント(24.72%)。誰よりもタイトルをとったはずのリベリーは1127ポイント(23.36%)にとどまっている。
マルカ紙は投票前に「選手のレベルとしてはリベリーはメッシとロナウドに劣る。今回取れなければ彼が取ることはもうないだろう」とさえ書いていたが、たしかに仮にバイエルンが今季もCLで優勝したとしても、ロナウドとメッシが現在のプレーを続けている限り、彼らを上回ってバロンドールを獲得するとは考えにくい。
ロナウド受賞の裏には、バルセロナを除くイベリア半島の全メディアがロナウドを全力で押し続けたという事実もある。
多数のメディアがロナウドの受賞を後押ししていた。
レアル・マドリーの選手にバロンドールを取らせたい『マルカ』や『AS』、その他の一般紙は、ロナウドの活躍をやや大げさに報道。
ポルトガルも『ア・ボラ』や『レコルド』ら主要メディアが「母国にもう一度バロンドールを」とばかりに、ロナウドキャンペーンを続けた。
リベリーはそれを批判していたが、投票結果を見ると、このメディアの力、その影響も大きかったように思える。
FIFAのブラッター会長がロナウドを嘲笑する物まねをした際には、イベリア半島メディアがFIFAを一斉攻撃。FIFAがバロンドール投票期間の延長(11月15日から11月29日に変更。これによりW杯予選プレーオフでのロナウドのパフォーマンスも考慮できるようになった)と期間内の投票のやり直しを認めたのは、これらの批判を収める狙いもあったはずだ。