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ジェンティルへの挑戦権をかけて。
二冠マンボが挑むエリザベス女王杯。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byEiichi Yamane/AFLO
posted2013/11/09 08:01
確実に伸びる末脚でオークス、秋華賞を制したメイショウマンボ。11月10日、鞍上の武幸四郎は指を3本立てることができるだろうか。
二冠馬、メイショウマンボは完成の域に。
今年2月のこぶし賞を直線一気の競馬で勝って2勝目をマーク。こぶし賞は、フサイチゼノン、ノーリーズン、カレンブラックヒルなどが勝ち馬に名を連ねる「出世レース」として知られており、この馬が見せた末脚には、前記の強豪たちのそれを凌駕するほどの鋭さがあった。
つづくフィリーズレビューも勝ち、桜花賞では4番人気に支持されるも10着に大敗。9番人気と評価を落としたオークスを差し切って驚かせ、秋初戦のローズステークスはいかにもトライアルという競馬で4着、そして秋華賞で世代トップの力を見せつけ、オークスがフロックでなかったことを証明した。
こうして振り返ると、桜花賞でなぜ負けたのか不思議に思えてくるが、そのあたりはデリケートな牝馬ゆえの難しさか。この馬の場合、春の時点では、後ろ脚の力強さに前脚が追いついていないアンバランスなところがあり、それが成績のムラにつながっていたようだ。しかし、オークス以降の走りを見ると、その点は改善されたと見ていいだろう。
終わってみたらここも圧勝で、ジェンティルとどっちが強いか、未対戦なだけに楽しみがさらにふくらむ――なんていうことになっているかもしれない。
名門・角居厩舎の不気味な4頭出し。
古馬勢ではヴィルシーナ、3歳勢ではメイショウマンボが大将格であることは間違いないところだが、「○○勢」という切り口でいうと、もうひとつ、非常に気になるグループが参戦してきている。
デニムアンドルビー、ディアデラマドレ、ラキシス、そしてオールザットジャズの「角居厩舎勢」である。
「世界のスミイ」と言われる伯楽・角居勝彦が送り込んでくるだけあって、どれが勝っても不思議ではない馬ばかりだ。
なかでも戴冠に近いところにいるのは、オークスと秋華賞でともに1番人気に支持されながら3、4着に惜敗した3歳のデニムアンドルビー(父ディープインパクト)か。