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ジェンティルへの挑戦権をかけて。
二冠マンボが挑むエリザベス女王杯。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byEiichi Yamane/AFLO
posted2013/11/09 08:01
確実に伸びる末脚でオークス、秋華賞を制したメイショウマンボ。11月10日、鞍上の武幸四郎は指を3本立てることができるだろうか。
3歳勢か古馬勢か。先行馬か差し馬か。
11月10日に行われる第38回エリザベス女王杯(3歳以上牝馬、京都芝2200m、GI)は、展開や馬場状態によって上位の顔ぶれが大きく変わりそうな混戦模様である。
例年ならレース名の前に「最強牝馬を決める」といった文言をつけるところだが、誰がどう見ても「国内最強牝馬」のジェンティルドンナは別路線を歩み、ここにはいない。
となれば、昨年、牝馬三冠すべてでジェンティルの2着に甘んじたヴィルシーナ(4歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)が、押し出されての主役となるのか。
昨年のエリザベス女王杯ではレインボーダリアの大駆けに屈し、またも2着と「シルバーメダルコレクター」になっていた。
シルバーコレクター・ヴィルシーナの戦略は……。
しかし、だ。強いことは確かだが勝ち切れない……そんなイメージを、この春、ヴィクトリアマイルでGI初制覇を果たして払拭した。
2200mはベストよりも若干長く感じられるが、陣営は、ステップレースに2400mの京都大賞典を選んだ。馬体重プラス16kgで8着に敗れたが、本番前にじっくり構える競馬をさせて落ちつかせようとするあたり、戦略にぬかりはない。
GIで突き抜けるだけのパンチに欠ける印象は残るものの、もっとも崩れる可能性が低いのはこの馬だろう。
逆に、成績にムラはあっても、抜け出す脚の速さや、後続を突き放す力強さなどの「圧勝感」で目を惹くのは、オークスと秋華賞を制した3歳馬メイショウマンボ(父スズカマンボ、栗東・飯田明弘厩舎)である。