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CL同組にイタリア人名将3人の椿事!
三者三様のサバイバル模様を読む。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byAFLO
posted2013/11/08 10:30
マドリーのアシスタントコーチを務めるジダン(右)とコンテ(左)はユベントス時代のチームメイトでもある。そして、その2人がいるユベントスで、アンチェロッティは指揮を執っていた。
マドリーの首位通過は当確も2位争いは混沌。
勝ち点「10」の首位レアルの通過はほぼ当確だ。
「4」で2位にガラタサライとコペンハーゲンが並び、「3」のユベントスが最下位。
しかし、次節以降のカードは、ユーベばかりに不利なわけではないい。ガラタサライはマドリーのホームで勝ち点0に終わる可能性が高いし、ユーベがコペンハーゲンをホームで叩けば、再逆転は十分可能だ。
「ガラタサライはベルナベウでわれわれが下す。イスタンブールでの最終節が楽な試合だとは思わないが、プレー内容はユーベが上。ユベントスの突破は可能だ」
CLで最後に優勝したイタリア人監督であるアンチェロッティには、まだ古巣へエールを送る余裕がある。勝負師の顔になるのは、決勝トーナメントが開幕してからだろう。
「グループ突破はわれらの手中にある。ユーベはまだ死んでいない」
現役時代に指導を受けたアンチェロッティからの“アシスト”を、コンテは最大限利用しなければならない。
イスタンブールの直接対決が明暗を分ける。
「マドリードでの負けも受け入れる覚悟はできている。すべてをイスタンブールでの直接対決にかける」
マンチーニの頼みの綱は、故障から復帰する主力2人とユーベ戦に強いFWドログバの決定力、そしてホームの大観衆だ。
グループBに集う3人のイタリア人指揮官たちは、それぞれ抱く実績も目標も三者三様。戦術大国に生まれ、厳格な指導論で育った彼らが、ひとたび欧州の舞台に出れば、互いに師弟となり、戦友になり、好敵手と化す。
12月10日の最終節、イスタンブールでの直接対決が、コンテとマンチーニにとってサバイバルマッチになることは間違いない。