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右にメッシ、左にネイマールの新布陣。
クラシコに見たバルサの“対策”潰し。 

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豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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posted2013/10/28 12:40

右にメッシ、左にネイマールの新布陣。クラシコに見たバルサの“対策”潰し。<Number Web> photograph by AFLO

移籍前には懐疑論もありながら、バルセロナに着実にフィットし新たな攻撃の形を生み出しつつあるネイマール。メッシとの両翼を止める術はあるのか。

空振りしたマドリーの「メッシ対策」。

 メッシと同じく、その日ピッチの上でいつもと違う光景を見ていたのが、マドリーのセルヒオ・ラモスだ。この日に彼が入ったのは中盤の底、アンカーのポジション。セルヒオ・ラモスは普段はCBでプレーしているが、その万能性は多くの指揮官が認めるところ。元々SBだった彼がCBに定着したのもここ数年のことだ。

 彼をアンカーとして起用したアンチェロッティが狙っていたのは、中盤の底に1対1に強い彼をいれることで、メッシやイニエスタ、シャビが利用する中央のゾーンを抑えることだった。

「メッシ対策」として発案されたセルヒオ・ラモスのアンカー起用だが、皮肉にも目の前にメッシはいなかった。前述のように、この日のバルサはメッシを右サイドで起用していたからだ。

 結果的にラモスはCBの前にポジションをとり、危険なエリアを埋める役割こそ果たしたものの、モウリーニョ時代のように、相手のゴールエリアまで詰めていく極端に積極的な守備でバルサの攻撃を断つことはできなかった。

ベイルとネイマールの明暗が、試合を分けた。

 そしてネイマールとは対照的に、ベイルが試合の中で生きることはなかった。

 明らかにコンディションが整っておらず、中央からミドルシュートを放つものの、スパーズ時代のような相手を抜き去る推進力は見られず。ピッチ上で戸惑っているシーンさえあった。

 ネイマールとは違い、負傷もあったベイルはここまでチームでのプレー時間も少なかったというハンデもある。新顔のチームへの定着度が、クラシコという重要な舞台でそのまま差を生むことになったのだ。ネイマールは、アレクシスの華麗なループシュートもお膳立てしたように、試合で最も決定的な働きをした選手だった。

 そして、これまでアンタッチャブルだったメッシのポジションを変えたマルティーノの決断が、クラシコの行方を決めることになったともいえる。メッシは今もCFとしての起用を望んでおり、絶対的エースのポジションを変えるのは、指揮官にとって簡単なことではなかったはずだ。

【次ページ】 前進するバルサ、迷走するマドリー。

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