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パイレーツの復活と中継ぎの重視。
~お荷物球団、奮闘の理由~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2013/08/24 08:01

パイレーツの復活と中継ぎの重視。~お荷物球団、奮闘の理由~<Number Web> photograph by Getty Images

2011年からパイレーツの指揮を執るハードル監督。2007年にはロッキーズを球団初のワールドシリーズ進出に導いた。

 ナ・リーグのポストシーズン争いが面白いことになっている。いや、前半戦から妙な雲行きだったのだが、残り40試合を切ったいまになっても、不思議な姿に変化がないのだ。つまり、中地区の突出。

 東地区のブレーヴスと西地区のドジャースは、すでに首位固めに入った。他球団にこれだけ水をあければ、終盤戦もまず安泰だろう。

 が、中地区の混戦は依然としてつづいている。8月20日現在、パイレーツが74勝51敗、カーディナルスが72勝53敗、レッズが71勝55敗。西地区2位のダイヤモンドバックスが65勝59敗だから、このまま進めば、中地区から3球団がポストシーズンに進出する事態が現実味を帯びてくる(東地区2位のナショナルズは61勝64敗の惨状だ)。

 最近までリーグのお荷物扱いをされていた地区だというのに、この様変わりは一体どうしたことだろうか。

パイレーツに何が起こったのか。

 なかでも敢闘賞を進呈したいのはパイレーツの復活だ。ワールドシリーズ5回制覇の古豪も、このところはさっぱりだった。いや、20年連続負け越しというのは、大リーグ史上最長の不名誉記録だ(第2位はフィリーズの16年連続負け越し)。名将ジム・リーランドのもと、バリー・ボンズ、アンディ・ヴァン=スライク、ボビー・ボニーヤが外野に勢ぞろいしていた'90年代前半の記憶はまだ生々しいのに、以後の低迷は眼を覆いたくなるばかり、といっても過言ではなかった。

 ところが、今季はへこたれない。トンネルを抜けそうな予感はあったのだが、ワイルドカードどころか、この調子で行くと中地区制覇の可能性もなしとしない。

 では、パイレーツになにが起こったのか。

 打線はあまりぱっとしない。

 チーム打率は2割4分5厘で、大リーグ30球団中23位の成績だ。ホームランの総数は119本で、全体の17位。3割打者は主軸のアンドルー・マッカッチェンただひとりだし、ホームラン打者も31本塁打のペドロ・アルバレス(打率は2割3分4厘)ぐらいしか見当たらない。

【次ページ】 ホールド数1位のタフで、崩れないブルペン。

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