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パイレーツの復活と中継ぎの重視。
~お荷物球団、奮闘の理由~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2013/08/24 08:01

パイレーツの復活と中継ぎの重視。~お荷物球団、奮闘の理由~<Number Web> photograph by Getty Images

2011年からパイレーツの指揮を執るハードル監督。2007年にはロッキーズを球団初のワールドシリーズ進出に導いた。

ホールド数1位のタフで、崩れないブルペン。

 ただ、投手陣が充実している。

 チーム防御率は3.16で、大リーグ30球団中のトップだ。フランシスコ・リリアーノ(14勝5敗、防御率=2.53)、ジェフ・ロック(9勝4敗、防御率=2.90)、A・J・バーネット(6勝8敗、防御率=3.09)といった先発陣はさほど才能を感じさせないが、ブルペンの層が厚い。手駒がそろっているだけでなく、だれもがタフで、大崩れをしない。ホールド数=70は、これまた大リーグ1位だ。

 働き頭はマーク・メランコンだろうか。28歳の右腕で、今季は59試合に登板し、2勝1敗8セーブ、防御率=0.93という素晴らしい成績を残している。7月下旬まではもっぱら中継ぎだったが、抑えの切り札ジェイソン・グリーリが前腕部の故障で戦線を離脱してからは、すっかりクローザーとして定着した。

 メランコン以外の中継ぎ投手も、登板回数が多い。トニー・ワトソンが52試合、ジャスティン・ウィルソンが48試合、ヴィン・マザーロが43試合、ブライアン・モリスが41試合といった具合で、ジーンマー・ゴメスなどは先発で8試合、中継ぎで16試合とけっこうタフな使われ方をしている。

中継ぎに連投をさせない、という思い切った決断。

 ところが、データを調べていて驚いたことがある。監督のクリント・ハードルは、彼ら中継ぎ投手をめったに連投させていないのだ。中継ぎに3連投はさせない――というのがこれまでの球界の掟だったはずだが、連投もさせないというのは、かなり思い切った決断だ。

 これを見て私が反射的に思い出したのは2011年のブレーヴスだ。あのチームはシーズン終盤に10勝20敗と失速し、あげくはペナントレースの最終日、カーディナルスに逆転されてワイルドカードを逃すという苦汁を嘗めさせられている。最大の理由は、無理な連投を強いられてきたブルペンの疲れだった。

【次ページ】 目先の1勝よりも、シーズン終盤のために。

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