スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
パイレーツの復活と中継ぎの重視。
~お荷物球団、奮闘の理由~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2013/08/24 08:01
2011年からパイレーツの指揮を執るハードル監督。2007年にはロッキーズを球団初のワールドシリーズ進出に導いた。
目先の1勝よりも、シーズン終盤のために。
けだしクリント・ハードルは、この失政を反面教師としているのではないか。目先の1勝にこだわって中継ぎ投手を酷使するのは控えよう。さもなくば、最後の直線に差しかかったとき、脚を失ってずるずると後退する事態が生じないとは限らない……。
この投手起用法で、ハードルは接戦つづきのペナントレースをここまで乗り切ってきた。1点差ゲームの結果が23勝18敗、延長戦の結果が9勝8敗という数字は、けっして悪くない。残り37試合で7勝すれば勝率5割は確定できるのだから、あとはどこまで勝ち星を伸ばすかだ。
パイレーツには、ワイルドカードで苛酷な1本勝負に臨むのではなく、地区王者の利点を生かしてポストシーズンを戦ってもらいたい。21年ぶりの水面浮上となれば、それくらいのおまけがついてもよいのではないか。