自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER
東京湾岸をひたすら東へ、幕張へ。
「未来都市」のあるべき姿とは?
text by
疋田智Satoshi Hikita
photograph bySatoshi Hikita
posted2010/11/20 08:00
自転車が導く“本物の”未来。
幕張の広い道をBD-1でぶらぶらと走りながら考える。昭和の人たちが思い浮かべた未来は、もはや我々が生きているウチにはやってこないだろう。それは恐らく事実だ。
それに、エアカーのようなモノが実現したところで、それに使うガソリン? いや、電気(これだって元はといえば化石燃料だ)? その他のエネルギーにしても、単なる無駄にしか思えない。そもそも誰もエアカーのようなものを望んですらいない。
これからの人類が求むべきものは、間違いなく「持続可能な人類の未来」だ。それを見越すならば、街の造りというものは、よりエコで、よりセーフティ、よりヘルシーなものになっていかざるを得ないだろう。
自転車展示会「サイクルモード」が、その幕張で開かれているというのは、考えてみれば不思議な話だ。
それは皮肉でもあり、逆に「最高に似合っている」ともいえる。なぜなら持続可能な人類社会を一番象徴的に表しているビークル、それが自転車だから。
サイクルモードに自転車でやって来た数々のローディたちは、東京湾岸について色々気づいたはずだ。
クルマが傍若無人で危なっかしく、路上の空気は悪く、自転車のことがまったく考えられていない、このままじゃ日本の交通はダメだと。
しかし、そうでありながらも、自転車できたことに爽快感を感じてもいるはずだ。きっと来年も自転車で来る。未来の自転車を見に来るのだもの。
さあ、いざ、未来を見に「サイクルモード2010」会場に入ろう。
私が思うに、今年のトレンドは、子供への自転車教育、初心者にドロップハンドル教育、クラシックスタイルへの回帰、だった。
イヤなことは多々ありながら、爽快で,経済的で、健康的で、地球環境に優しい。
自転車の未来だけは明るいと、やはり私は確信している。