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地味だが常連、そしてキーマン?
高橋秀人、ザックジャパンでの重要性。 

text by

細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byAFLO

posted2013/03/15 11:00

地味だが常連、そしてキーマン?高橋秀人、ザックジャパンでの重要性。<Number Web> photograph by AFLO

遠藤保仁と長谷部誠でほぼ固定されているボランチで、出場機会を与えられ続けていることには、バックアッパーとしてのテスト以上の意味がある。

攻守の決定機で、その中心になっていた高橋の動き。

 さらに57分、左サイドでボールを受けたルーカスが相手2人に囲まれると、前方を2度確認しながら真横にパスコースを作り、フリーの状態でパスを受けてダイレクトで右サイドに展開。フリーで右サイドを突破した長谷川アーリアジャスールのクロスから東慶悟が決定機を迎えた。パスコースを作るランニングの時点でこの展開が見えていなければ、ダイレクトで右サイドに展開することはできない。

 72分にはレアンドロ・ドミンゲスのトラップが離れた瞬間に激しく体を寄せ、相手の攻撃をシャットアウト。このプレーも、ポジショニングの良さと駆け引きによる予測、出足の鋭さという高橋の良さが集約されたシーンだった。

敵将をして「FC東京が勝利に値した」と素直に言わしめた実力。

 もちろんこれらのポジティブなシーンは、高橋一人の能力によって生み出されたものではない。

 コンビを組む米本も高橋と同様に出足が鋭く、必ず彼ら2人で数的優位を作り出しているからこそ中盤の守備が機能する。さらに言えば、2枚のセンターバックとの距離感、ファーストプレスを仕掛ける前線との連係もいい。

 柏の指揮官ネルシーニョが「FC東京が勝利に値した」と認める完勝は、FC東京のチームワークの良さに起因するものだった。

 試合後、最後にミックスゾーンに現れた高橋は、この90分間を次のように振り返った。

「今年は前から行かないリトリートした守備ができるようになってきているので、少し引いた守備と言いますか。ある程度、相手に自由にやらせるけど、入ってきたら行くよというような。

 去年の序盤戦はラインを高くして常にハイプレッシャーで、相手コートでやるようなプレスの掛け方だったんですけど、今年はそれに加えて引いた守備というのをイメージしながらやっています。

 去年、広島がそういう守備をやっていて、まあ広島を真似た訳ではないですけど、広島のようになるといいですねって話です、ハイ(笑)」

【次ページ】 メディア取材の駆け引きも、絶妙な間合いでこなす。

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