投手BIG2と並ぶ上位指名候補の打者・萩原英之。

　九州学院も旧チームのメンバーのうち、投手・大塚尚仁、伊藤奨太、一塁手・岡山士朗、遊撃手・溝脇隼人、中堅手・萩原英之の5人が残っている。左腕大塚は昨秋の九州大会4試合をすべて1人で投げ抜いて2試合完封、2試合12失点という極端な投球を見せた。スライダー、シンカーを交えた技巧に持ち味があるが、力で押さえ込む球威がなく、昨年の選抜では国学院久我山戦が13安打、7失点、履正社戦が13安打、8失点と打たれている。

　投手陣を助けるのが打線で、溝脇、萩原、岡山の上位打線は全国屈指と形容していい破壊力を秘めている。九州大会では2回戦の藤蔭（大分）戦と準決勝の創成館戦で9得点を挙げ快勝。準々決勝の宮崎西戦が2対0の辛勝で、これが創成館戦の大勝と比較され、宮崎西の選抜出場に結びついたという因縁になった。

　全国的に注目されているのが萩原の強打で、現在の通算本塁打は24本と普通だが、10年夏の選手権3回戦で鹿児島実（鹿児島）の好左腕、野田昇吾から本塁打を放ち、これが「1年生の4番打者」のものとしては清原和博（PL学園）以来27年ぶりと騒がれた。この年の秋の九州大会では唐津商（佐賀）の150キロ右腕、北方悠誠の外角ストレートを捉えてレフトスタンドに放り込むなど、記憶に残るホームランが多く、今ドラフトではBIG2とともに上位指名候補に挙げられている。

　これまでに取り上げた選手以外でも好選手はいる。本当は1人1人丁寧に紹介していきたいのだが……それではどれだけ紙幅をとっても足りないだろう。なので、今回は別表において名前と簡単なデータだけを紹介するにとどめたい。

　いずれにしても今大会は好選手、好チームが多く、目が離せない試合が多くなることは保障しておく。

［投手］
二階堂誠治   （女満別）        右右　176／72
大谷翔平      （花巻東）        右右　191／76
大谷樹弘      （作新学院）     右左　180／86
中村祐太      （関東一2年）   右右　181／75
柳裕也         （横浜）            右右　179／74
漆戸駿         （地球環境）     右右　178／75
濱田達郎     （愛工大名電）  左左　183／85
藤浪晋太郎  （大阪桐蔭）     右右　197／86
青山大紀     （智弁学園）     右左　182／71
小野耀平     （智弁学園）     右右　178／75
西坂凌        （鳥取城北）     右右　184／82
柿澤貴裕    （神村学園）     右左　176／75

［捕手］
田村龍弘     （光星学院）       右右　173／76
山下勇斗     （作新学院2年）  右右　173／70
中村雄太朗  （愛工大名電）   右両　175／71
喜多亮太     （敦賀気比2年）  右右　176／66
森友哉        （大阪桐蔭2年）  右左　171／80

［内野手］
北條史也  （光星学院）          右右　176／70
太田知将  （花巻東）             右左　177／80
石井一成  （作新学院）          右左　177／71
篠原優太  （作新学院）          左左　175／81
中澤信哉  （高崎2年）            右右　177／66
石橋司     （浦和学院）           左左　182／73
竹村春樹  （浦和学院2年）     右左　174／71
木内準祥  （関東一）              右右　175／73
中野良紀  （愛工大名電2年）  右左　178／72
西川龍馬  （敦賀気比）           右左　177／65
溝脇隼人  （九州学院）           右左　177／63

［外野手］
天久翔斗  （光星学院）   右左　166／65
高山良介  （作新学院）   右右　180／85
竹内司     （健大高崎）    右左　176／68
佐藤拓也  （浦和学院）   右左　171／71
笹川晃平  （浦和学院）   右右　182／73
伊藤大貴  （関東一）       右右　181／83
拝崎諒     （横浜）           左左　181／75
田端良基  （大阪桐蔭）   右右　175／85
木村達也  （鳥取城北）   右右　179／73
萩原英之  （九州学院）   右左　178／80

　＊以上、学年表記はすべて新学年とする。