ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
<五輪代表連続インタビュー#6> MF・東慶悟 「彼らを生かしながら自分も生きる」
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph bySports Graphic Number
posted2012/02/03 10:30
大分トリニータ時代の2009年にJ2へ降格した経験を持つ東慶悟。昨年は所属する大宮アルディージャがJ1降格の危機にも見舞われたが、U-22日本代表での活躍ぶりをそのまま持ち帰ったかのような東の獅子奮迅の活躍で、13位でシーズンを終えている
シンプルなプレーを心がけ、守備の意識の向上を図る。
――具体的に言うと?
「まずひとつは、シンプルにプレーするということです。相手の陣地では、自分たちの細かいパスワークで相手を崩したり、シュートを打ったり、センタリングを上げたり、とにかく自分らの攻撃をしてフィニッシュするようにしようと。逆に、自分たちの陣地になったときは、たとえばクリアするなら思い切りクリアするとか、簡単にプレーするところは簡単にするというのを徹底していた。もうひとつは守備ですね。オーストラリア戦をはじめエジプト戦も先制されると厳しいというのがわかったし、クウェート戦では追いつかれて引っ繰り返された。失点しなければ相手が勢いに乗ることもないし、自分たちのペースで戦える。マレーシア戦は前線からいい守備ができていたんで、それをアウェーでも継続して、まずは失点しないように、しっかり守備から入ろうというのをみんなで話し合っていました」
――それが、バーレーン戦ではうまくできた。
「そうですね。自分たちがやろうとしていたことができたし、2-0で相手を完全に抑えて勝ったのは、ちょっとした成長ですけど自信になりました」
――得点よりも失点ゼロのほうが大きいという考え?
「最終予選は勝たないといけないですからね。失点ゼロにすれば負けないですし、自分たちのサッカーをするためにも、しっかり守備をしないとバランスが崩れてしまう。関さん(関塚隆監督)にもそれは厳しく言われているので、このチームはみんな守備の意識が高いですよ」
「誰が抜けても変わらないチームだというのが証明できた」
――バーレーン戦で、清武、原口元気、山村和也と初戦のマレーシア戦からレギュラーが3人抜けたのはかなりの痛手だった?
「マレーシア戦で良かった弘嗣君と元気君が抜けたのはA代表だから仕方ないけど、チームとしてはいい勝ち方ができたメンバーで戦えなかったのはすごく残念でした。でも、代わりに入った大津(祐樹)君がすごく良かった。コンビネーションもいいし、ひとりでも打開できる。攻撃の起点にもなっていたので、これで誰が抜けても変わらないチームだというのが証明できたと思います」
――自分が抜けても大丈夫だということ?
「いい選手がたくさんいますからね。僕も次の試合に出られるかわからないし、どこで起用されるのかもわからない。与えられたポジションで全力でプレーするだけです。さっきも言ったように誰が出ても変わらないチームになってきているので、いつ外されるかわからないですからね。つねに危機感を持っていないと」