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女子サッカーの現在地。
~W杯優勝でどう変わったか?~
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byToshiya Kondo
posted2012/02/04 08:00
W杯優勝からわずか1週間後に再開されたなでしこリーグ2011シーズン。7月24日、ホームズスタジアム神戸で行われたI神戸対ジェフLの試合には、過去最高(当時)となる17812人の観客が詰めかけた
ロンドン五輪に向けて、日本選手団の「顔」は誰だろう、と考えてみると、期待度に老若男女を超えた認知度という点を加味すれば、やはり「なでしこジャパン」ではないだろうか。現在、FIFA女子ランキングにランクインしている国と地域は173。日本は第3位である。1位は米国。2位はドイツ。これほど世界的に普及した団体球技で、日本が下位から成長を重ね、ここまで上り詰めた競技は珍しい。他の競技を見ると、日本の女子が過去に好成績を収めたのは、五輪競技になった当初の、比較的まだ競争の少ない時期だったのである。
例えばバレーボールが正式競技になったのは1964年の東京五輪。日本女子は、その東京五輪と'76年のモントリオール五輪で金メダルを獲得している。そして'84年ロサンゼルス五輪で銅メダル。つまり、五輪の正式競技になって最初の20年間はメダルを獲得していたが、その後は獲得できていないのである。バスケットボールでも、同じようなことが言える。正式競技になった'76年モントリオール五輪で最高の5位を記録。20年後の'96年アトランタ五輪でも7位になったが、その後は、出場できても予選リーグ止まりだ。まだ参加国の少ない最初の時期は活躍しているが、その後は順位を下げる傾向にあるわけだ。