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フィンケSDの現場介入で火種勃発。
ケルンが抱える内外の問題とは? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2011/09/14 10:30

フィンケSDの現場介入で火種勃発。ケルンが抱える内外の問題とは?<Number Web> photograph by Getty Images

今年の2月から2年半の契約でケルンのスポーツディレクターに就任したフォルカー・フィンケ

 ケルンが苦しんでいる。リーグ中断直前の第4節で初勝利をあげたものの、1試合あたりの平均失点が2.8点。総失点は14で、リーグで3番目に多い(9月11日現在)。唯一の勝利を挙げたのが、開幕から迷走を続けているハンブルガーSVからだった。

 先行きに不安をのぞかせるのは2つの問題を抱えているからだ。

 1つ目の問題は、ソルバッケン監督の戦術が浸透していないこと。このノルウェー人指揮官は、昨シーズンはデンマークのFCコペンハーゲンを率いてチャンピオンズリーグで躍進。バルセロナと同居したグループDを2位で勝ち上がり、決勝トーナメントに進出して脚光を浴びた。大きな期待と注目を集めて、今季からケルンにやってきたのだ。

 ソルバッケン監督が推し進めるのは、ボールを奪ってからカウンターで素早くゴールに迫る戦い方だ。最終ラインから前線のFWまでの距離をわずか25mに保ち、守備のブロックを作って相手の攻撃を待ち受けるように指示している。一見、シンプルな戦術に見えるが、実際には機能していない。それは、リーグで3番目に多い14失点というデータが証明している。守備を固めて、カウンターに出るはずが、守備が崩壊していては、カウンターどころではない。

監督が推し進める守備戦術に選手は戸惑いを隠さない。

 ドイツ代表に名を連ねたこともあるMFリーターは、ソルバッケンの守備戦術がドイツでプレーする選手にとっては馴染みづらいものだからだと考えている。

「人につくのではなく、スペースを消す守り方だからだろうね。それが監督の考え方なんだけど、果たしてそのやり方が正しいのかどうか。監督にもう一度確認してみないといけない」

 GKのレンジンクは、辛抱が必要だと考えている。

「もし、他のチームよりも1週間早くシーズンをスタートさせていても、現状は変わらないだろうね。監督の望むサッカーを実践するのには時間がかかると思う」

 8月31日に移籍市場が閉まる間際になって、新たに2人のディフェンダーを獲得した。一方で、昨季までレギュラーのセンターバックだったモハマドを放出。日本代表の槙野は、「キッカー」誌によって、放出候補と書かれてしまった。

 リーグが開幕してからの選手の入れ替えが、苦しい現状を物語る。

【次ページ】 フィンケSDはソルバッケン監督解任の噂の火消しに躍起。

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