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巨人のエースは新人の澤村拓一!?
QSがあぶり出す、投手の本当の価値。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byTamon Matsuzono
posted2011/05/29 08:00
今季7試合を投げて最低でも6回以上、最大自責点3という成績を残している澤村。メジャーの基準だと全試合QSということになる素晴らしい成績ともいえる
QSで判断すれば巨人のエースは澤村なのだが……。
防御率 | 試合数 | 勝敗 | QS | |
---|---|---|---|---|
吉見一起 (中日) | 1.31 | 5 | 3勝1敗 | 4 |
館山昌平 (ヤクルト) | 1.66 | 6 | 3勝1敗 | 3 |
由規 (ヤクルト) | 1.88 | 6 | 4勝2敗 | 4 |
バリントン (広島) | 1.88 | 6 | 4勝1敗 | 4 |
石川雅規 (ヤクルト) | 1.96 | 6 | 3勝1敗 | 3 |
杉内俊哉 (ソフトバンク) | 1.31 | 6 | 2勝2敗 | 6 |
唐川侑己 (ロッテ) | 1.36 | 6 | 4勝1敗 | 5 |
涌井秀章 (西武) | 1.51 | 6 | 3勝2敗 | 5 |
田中将大 (楽天) | 1.55 | 6 | 3勝1敗 | 6 |
ホールトン (ソフトバンク) | 1.65 | 6 | 5勝1敗 | 3 |
岩隈久志 (楽天) | 1.72 | 6 | 3勝2敗 | 5 |
フィガロ (オリックス) | 1.80 | 6 | 3勝2敗 | 2 |
ダルビッシュ有 (日本ハム) | 1.86 | 7 | 6勝1敗 | 6 |
武田勝 (日本ハム) | 1.88 | 7 | 2勝5敗 | 6 |
和田毅 (ソフトバンク) | 1.94 | 7 | 3勝1敗 | 5 |
※成績は5月25日現在
パ・リーグ投手陣のQSが圧倒的に多い。これは交流戦前まで、代打を送られることがないことも影響しているが、チームの軸となる投手はほぼ、7回以上を投げ抜いている。監督の信頼を得ている選手は、それだけ責任が重いということだ。やはり6回ではなく、7回は投げなければQSとは言いづらいように思う。
しかしQSが、そのまま勝ち星につながらないのが野球の面白いところ。日本ハムの武田勝は7回中6回もQSを達成しているが、2勝5敗。必ずゲームを作っているのだが、打線の援護に恵まれない。勝敗だけを見ると武田は仕事をしていないように見えるが、QSを使えば別の側面が見えてくる。
セ・リーグでは、交流戦に入って不調のヤクルトだが、セ・リーグの中では際立ってQSが多い。館山、由規、石川と、3人の投手がゲームをうまく作っていることがここまで首位を走ってきた一因となっている。
最後に、防御率が1点台というわけにはいかないのだがQS率が高く、私が評価したい選手をひとり紹介しておきたい。巨人のルーキー、澤村だ。澤村は7回先発して、QSの数は4回(防御率は2.47)。巨人の他の先発投手と比べても十分に仕事をしている。
勝ち星はまだ1つしかないが、内容を見れば彼が巨人のエース格と言ってもおかしくはない。この投球を続けていけば、勝ちは自然とついてくるはずなのだが、さて、いまの巨人打線が澤村に勝ち星をプレゼントすることが出来るだろうか……。