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CL準決勝目前、内田篤人は絶好調!!
“マンUキラー”ラウールにも注目。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byBongarts/Getty Images
posted2011/04/25 12:20
欧州CL準決勝初戦への抱負を聞かれた内田がひと言。「相手は同じサッカー選手。ピカチュウがいるわけじゃない」
マンU同様、シャルケのポイントも中盤の選手か?
マンUの鍵を握るのが中盤であれば、逆もまたしかり。この試合のキーポイントは、シャルケの中盤の選手の配置にありそうだ。
インテルとの準々決勝を終えてからの2試合で、ラングニック監督はローテーション制を採用。選手たちに休みを与えた。インテル戦直後のブレーメン戦では5人を入れ替え、その翌週のカイザースラウテルン戦でも5人を入れ替えて臨んだ。準決勝直前となるこの試合で、フラード、ファルファン、バウムヨハンの3人のMFは45分ずつしか起用していない。攻撃を得意とするMF3人がどのように配置されるのかに注目が集まる。
フラードをダブルボランチの一角で起用する攻撃的な4-4-2か、あるいは2列目に3人を並べる4-2-3-1か、インテルとの1stレグの後半に採用して3点を奪った4-1-3-2か、それとも……。
試合中にフォーメーションを変えることもいとわないラングニック監督であれば、自身の分析とは異なり、守備力の劣るアンデルソンがマンUのボランチの一角に入るようであれば、そこをついてくるかもしれない。実際、視察に訪れたニューカッスル戦ではアンデルソンがボランチを務めている。
マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれるなど絶好調を維持する内田。
もう一つ見どころを挙げるとすれば、やはり右SB内田の存在だ。
カイザースラウテルン戦の当日、左SBのサルペイと内田はそろって監督に呼びだされた。試合では起用しないことを伝えられ、その理由などについて説明を受けたという。詳しい内容について、内田は「ご想像にお任せします」とお茶を濁したが、『WAZ』紙は「(ローテーションで休息を与えたのは)イングランドサッカーを愛するラングニック“らしい”」と指摘している。
CL準決勝前の最後の出場となったブレーメン戦で、内田はアシストを含め好プレーを連発している。この試合で有効だったのは、ニアサイドへの速いクロスではなく、ゴール正面からファーサイドに向ける柔らかいクロスだ。インテルとのCL準々決勝のあと、今後の課題として挙げていたのが、「チップというか、フワッというのが入ってくる」クロスだ。内田はそのクロスからアシストを記録し、その他にも2度の決定機を演出した。
ドイツの『キッカー』誌はこの試合のマン・オブ・ザ・マッチに内田を選び、『キッカー』誌を始めとする多くのメディアでこの週のベスト・イレブンにノミネートされた。さらには、お隣フランスの『レキップ』紙がこの週の「ヨーロッパの」ベスト・イレブンに内田を選んだ。